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4月から値上げ!めちゃ高いATM手数料と、首都圏のバス料金に気をつけて

<女性が一生、お金に困らないためのレッスン vol.2/経済評論家・佐藤治彦>  テレビの情報番組などで、「4月から値上げになるもの」をしきりに取り上げる季節です。ですが、騒がれるわりに上がらないもの、逆に、知られてないけど大幅値上げするものも。本当に注意すべき値上げは何でしょうか? 貯金や老後のお金問題について著書多数の経済評論家・佐藤治彦さんが解説します。
スーパー

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● 食用油:テレビが言う「値上げ」を信じるな

「だって、来月から30円も値上げするんでしょう?」  3月末に近くのスーパーでシニアの男性が、1リットル198円の重い食用油をいくつも買っていました。ちょっとびっくりして声をかけたところ、そう答えたのです。  毎年4月と10月の少し前に、テレビや新聞では「来月から値上げされるもの」などとしてまとめて報道します。食用油に関しては、6月からもさらに30円の値上げがあるといわれています。
食用油

食用油の大手3社(J‐オイルミルズ、日清オイリオグループ、昭和産業)とも値上げを発表

「そんなに、油を使うんですか?」と聞くと、1年間は食用油を買わなくてすむように、たくさん買っておくのだそうです。  食用油などの値上げは、穀物価格の国際相場の上昇から毎年のように行われています。ですが、値上げはされるものの、多くの消費者が気がついているように、スーパーなどでの実売価格はほとんど変わっていません。  特に定期的に行われる特売日の価格はほとんど同じ。これは、スーパーなどが目玉商品として客寄せ商品とすること、そして、商品価格というものは需給関係で決まるので、消費者が受け入れてくれない価格はいくら値上げしたくても定着しないからです。  原材料価格は上がっているため、メーカーや流通側は大変なのですが、消費者価格に転嫁されることはほとんどないのが実態です。  多くの消費者に、ほかの先進国並みのまともな給料が支払われ、購買力が上がれば、メーカー側の値上げも消費者が受け入れるようになるかもしれませんが。  食用油は長く保管すれば品質が落ちます。商品には賞味期限が記されています。期限が過ぎたからといって使えないわけではありませんが、値上げされるからとあまり大量に買うのは果たして賢い買い方でしょうか? 食用油の値上げは、メーカーの思惑通りに消費者価格まで受け入れられるでしょうか?

● 首都圏のバス料金:続々とポイント廃止で実質値上げ

 いっぽう、この4月からじわりと確実に値上がりしたものがあります。しかも、それらはほとんど報じられていないのです。  ひとつは首都圏のバス料金です。
バス

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 諸外国では、公共交通を頻繁に使う人にはそれに応じて料金が割引になる制度が整っています。旅行者やたまにしか使わない人には割引はないもの、毎日のように頻繁に利用する人には、大幅な割引を設定して利用者に公共交通の料金ができるだけ負担にならないように工夫しているのが一般的です。  日本の首都圏では、東京、神奈川、埼玉、千葉などのバス会社で共通して行ってきた「バス特」制度がそれにあたります。  どこの会社で利用しても、パスモやスイカなどのICカードで同じ月内で1000円ごとの利用を重ねていくとポイントがつき、実質的にバス料金が割引かれるというものです。  例えば、1000円利用すると100円のポイントがつく。次の利用の時には220円のバス料金ならポイントが使われ100円引きの120円で乗車できます。  このポイントも、多く使うと増えていき、5000円使うと330円分ものポイントがつきました。つまり、1か月で5000円支払うと、合計850円分のポイントが付与されたのです。  これが2月下旬から順次、ほとんどのバス会社で撤廃されています。シニア向けの無料パスを利用する人や、月に2~3回しか利用しない人には関係はありませんが、頻繁に利用する人にとっては実質的に一気に約8%~15%もの値上げになったのです。
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コンビニのATM手数料が大幅値上げ
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