「寝た気がしない」原因のひとつ“いびき”。医師が教える改善法3つ
花粉に悩まされるなど、この時期十分な睡眠が取れず日中のパフォーマンスが上がらない人も少なくない。だが、そんな心配は”鼻”環境の改善で劇的に変わる。今回、その真相に迫った。
今年は暖冬の影響もあって、花粉症による鼻づまりやくしゃみで苦しむ人も多い。そんななか「日中眠くてしょうがない」「毎日8時間寝ても疲労が取れない」といった睡眠の質の低下を訴える人も増えているという。
鼻のトラブルと睡眠の質にはどんな因果関係があるのだろうか。「東京疲労・睡眠クリニック」院長の梶本修身氏はこう指摘する。
「眠れない、疲れが取れないと訴えて来院される方の原因の多くがいびきです。いびきをかくということは、睡眠時に休むはずだった脳の自律神経が活動している証拠。どんなに睡眠時間を取っても、疲労回復にはなりません」
そもそもなぜ人はいびきをかくのか。「東京ロンフェルメ耳鼻いんこう科」理事長の竹腰英樹氏は鼻における睡眠中のメカニズムについて次のように説明する。
「いびきをかく人の75%に鼻閉症状があります。鼻の通りが悪くなっている状態です。仕組みは、空気が睡眠中に狭くなった鼻腔を通ることで鼻いびきを起こす。また圧が強くなった吸気が軟口蓋(のどちんこ)を振動していびきに。鼻腔が狭くなり口呼吸に移行すると軟口蓋や舌が振動すると喉いびきを起こします」

さらに竹腰氏は、いびきを引き起こしやすい人の特徴を次のように続ける。
「この時期でいえば、花粉症を抱える人。また、アレルギー性鼻炎や鼻ポリープといった病気を持っている人や口蓋垂が長いなど、鼻や気道が塞がれやすい構造を持っている人ですね。それから肥満体形の人にも多い。加齢に伴い喉の筋肉が衰えていくので、50代以上の人も気をつけなければいけません」
睡眠トラブルの引き金となっているいびき。効果的な改善策はあるのだろうか。竹腰氏は自宅で気軽に試せる対策グッズとして次の3つの方法を挙げた。
「まず、鼻洗浄器は花粉症やアレルギー性鼻炎を持つ方にはある程度は効果的です。それから、下顎を前方に移動させ咽頭を広げるマウスピース。いびきを感知するセンサーと連動することで枕の高さを自動調節し、頭を横に向けてくれる枕もおすすめです。いずれも気道が狭くなるのを防ぎ、いびきをかきにくくする効果があります」
実際に、前述の枕を使用して寝ているという前田まこさん(仮名・32歳)は「夜中に枕の向きが変わり横を向いて寝るようになったら、いびきがなくなった。値段は3万円くらいだったけど、治療は怖いしもっと予算がかかるのでこれで十分です」と効果を実感していた。
睡眠を妨げる「いびき」そのメカニズムとは?
