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BTSジョングクも愛読する「私は私のままで」etc. 韓国エッセイにほっこり

 パンツ一丁で寝そべる男性のイラストが可愛らしい、韓国エッセイ『あやうく一生懸命生きるところだった』(ハ・ワン著)は、2020年に日本語版が発売されて以来、SNSを中心に口コミで話題となり、日韓で40万部を超えるベストセラーとなりました。
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『あやうく一生懸命生きるところだった』(ハ・ワン著/ダイヤモンド社)

 著者のハ・ワンさんは、フリーのイラストレーターとして活動する一方、副業として会社勤めもしていました。二足のわらじで必死に働くものの、あるとき全てが中途半端に感じてしまい、自分が一体どこへ向かっているのか分からなくなってしまったそうです。  そんな40歳を目前にしたある日、ハ・ワンさんは「今日から必死に生きない」ことを決意します。計画もないまま上司に辞表を出し、必死に頑張ることを辞めてみる、という人生を賭けた実験を開始。そんなハ・ワンさんが頑張らない日々の中で見つけた「人生の真理」とは?  今回は「あやうく一生懸命生きるところだった」から、忙しい毎日を今よりちょっとだけ幸せにするためのヒントを紹介します。

「ひとり」を楽しめる人は、幸せな人

 家族や恋人と過ごす時間を大切にする韓国ですが、最近ではどうやら「ひとり」が流行っているのだそう。その背景には、独身世帯の増加など社会的な要因とともに、競争社会での「人付き合い」による疲れがあるそうです。人間関係の疲れは韓国でも日本でも同じですね。飲み会での「気疲れ」や、女友達からの「マウンティング」など……(ため息)。仕事やプライベートでの人付き合いが、自分でも気が付かないうちに大きなストレスとなっていることがあります。  著者のハ・ワンさんは、そんな人間関係で疲れた心と体には「ひとりの治癒の時間」が大切だと優しく訴えます。ひとりでご飯を食べたりお酒を楽しんだり。ひとりでできることを楽しんで、十分に充電する時間を与えてあげれば、「帰り道が約束された旅行」のように、また必ず人の輪の中に帰っていくことができます。  一人ぼっちが楽しいと感じるのは、「だれかと繋がっている」証拠でもあります。ひとりを楽しむ方法を一つでも多く知っている人は、きっと幸せな人です。

諦めることで見えてくるものがある

読書

※イメージです(以下、同じ)

「あきらめるな」「努力は必ず報われる」といった言葉、日本でもよく耳にしますよね。身近な人たちからのそんな「声援」を聞き続けてきたせいか、諦めることがとても悪いことのように感じてしまう人も多いのではないでしょうか。  ハ・ワンさん自身、韓国美大の最高峰であるホンデ大学に合格すれば人生が変わると盲目的に信じて浪人し続け、4度目の受験でようやく合格することができたという経験を持っています。ただ、「あれほど苦労してホンデに入学したというのに、人生が変わることはなかった」とのこと。入学してからは学費を払うためにバイトに必死で、花のキャンパスライフは夢のまた夢。有名大だからといって大企業からのスカウトなどもなく、ホンデ大学への合格で「人生の一発逆転」は起きなかったそうです。  韓国では「この道が唯一の道」と盲目的に信じた結果、悲劇も生まれています。ある青年が公務員試験に四浪したあげく、母と一緒に田舎へ帰る途中のパーキングエリアのトイレで首を吊って自殺したそうです。とてもショッキングなニュースですよね。このエピソードを極端な話だとスルーすることもできますが、何かに固執することで自分自身を苦しめてしまった経験はきっと多くの人が持っているはず。諦めることって簡単なようで、意外と難しいことなのかもしれません。  ハ・ワンさんは「命以外なら全部あきらめたっていい」と述べながら、「諦めること」について次のように書いています。 「世の中にはたくさんの道が存在する。一つの道にこだわりすぎるのは、ほかの道をあきらめていることと同じだ。あまりにもつらく、耐えがたいならあきらめろ。あきらめたって問題ない。道は絶対、一つじゃないから。」  一つのことに執着することで他の選択肢を諦めてしまっているのかもしれないと思うと、少しギクッとしますよね。時には「諦めないこと」より「諦めること」のほうが、幸せへの近道だったりするのかもしれません。
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何でもない日々を幸せに生きる
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