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『タイタニック』テーマ曲はダサい?再放送での曲カットにはブーイングも

『金曜ロードショー』(日テレ)で、5月7日、14日の2週連続に渡り再放送された映画『タイタニック』(1997)。いずれも10.3%、12.0%の視聴率(平均世帯視聴率、関東地区、ビデオリサーチ調べ)をマークし、公開から24年経っても根強い人気があることを証明しました。
タイタニック

『タイタニック』ブルーレイ(20世紀フォックス)

 ところが、セリーヌ・ディオンが歌うエンディング曲「My Heart Will Go On」が放送時間の関係で一部カットされてしまい、ネットでは“余韻に浸りたかったのに”とか“サビだけ流れればいいわけではない”と、不満の声が上がったのです。

当時は、セリーヌ・ディオン=ダサいという嘲笑も

「My Heart Will Go On」は、セリーヌ・ディオンのワールドワイドな人気を決定づけた一曲です。映画公開当時、レオ様がケイト・ウィンスレットを後ろから抱きしめるシーンを帆先で再現するカップルが続出。社会現象にもなったほど。それもこの曲なくしては起こり得なかった。それぐらいに、強烈なテーマソングだったのですね。  以降、セリーヌ自身も、葉加瀬太郎とのコラボ「To Love You More」や、英会話教室AEONの広告に“セリーヌでイーオン”のコピーで出演するなどして、日本での知名度をどんどん広めていきました。  多少の思い出補正こそあれ、今ではすっかり名曲認定をされている「My Heart Will Go On」。ですが、今回の再放送における大きな反響の一方で、当時はセリーヌともども、あまり芳しくない評判だったことを思い出しました。お涙ちょうだい全開のバタ臭い音楽性が、“趣味の良い”人たちから批判を受けていたのです。
セリーヌ・ディオン

セリーヌ・ディオン、2017年Billboard Awards で(C)Hutchinsphoto

 黒人のR&Bやフランスのシャンソンから毒気を抜いたような音楽は、ヒップホップやパンクが持つような社会性に欠けており、そうした音楽を好む層は“知的ではない”とレッテルを貼るような風潮があったわけです。

「趣味のよさ」でマウントを取る人たち

 しかし、『タイタニック』から10年後の2007年、そんな傾向に疑問を投げかける本がアメリカで出版されました。カナダ人の音楽評論家、カール・ウィルソンが書いた『Let’s Talk About Love: A Journey to the End of Taste(33 1/3)』(Continuum Intl Pub Group)は、趣味の良い人たちがセリーヌを批判することは、何かにつけてマウントを取りたがる心性と無関係ではないのではないか、と論じているのです。  豊かな文化的資本を持つと自負する者が、情報弱者を攻撃する。そうして出来上がるカースト。「My Heart Will Go On」の大ヒットは、その格好の材料になってしまったのではないか、というわけですね。
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お手軽に感動したい自分もいる
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