“コロナワクチンで不妊・流産”はデマ。嘘の見分け方を医師が解説
新型コロナウイルスのワクチン(以下、コロナワクチン)の接種が進む一方で、ワクチンに関して、様々な謎情報が拡散され、不安に感じる人も多いでしょう。
最近では「コロナワクチンを打つと不妊になる」という噂が流れ、6月20日に河野太郎規制改革担当相が「これはデマである」と明言したことが話題になりました。
さらに、「妊婦がコロナワクチンを打つと流産する、子どもが自閉症になる」という噂まで流れています。これらの情報の真偽を、医師たちによるプロジェクト「こびナビ」に解説してもらいましょう。「こびナビ」は、新型コロナウイルスやワクチンの正確な情報を、文章や動画で発信しています。ちなみに、6月24日に掲載された河野太郎公式サイトのブログ「ワクチンデマについて」も「こびナビ」が監修しています。
この記事は、2021年5月10日に行われた「こびナビ(@covnavi)」インスタグラムライブの内容に最新の情報を加えています。
聞き手:池田早希先生(こびナビ副代表)
日米小児科専門医、感染症専門、アメリカ熱医学学会認定医
解説:峰宗太郎先生(こびナビ副代表)
病理専門医、薬剤師、博士(医学)
池田「コロナワクチンに関して、いろんな情報が拡散されていますね。特に妊娠とか妊活に関する誤った情報を見ることが多く、不安になった方からもよく質問をいただきます。コロナワクチンで不妊になるというのは本当なのでしょうか?」
峰「最初に、これは誤った情報だと申し上げておきます。まず知っておいてほしいのは、どんなデマ情報を流すときにも、“効果的な脅し方”があることです。
デマの典型的なパターンがいくつかあります。自分自身のいまの健康に訴えるよりも、子どもの健康、家族の健康、それから将来の妊娠への影響などを噂として立てることなんです。そうするとすごく不安を煽りやすい。
峰「もし、本当にそういう疑いがあるなら、まっとうな科学者がすぐに騒ぎ出します。びっくりして、安全性の試験をして、論文がたくさん出てきます。もし本当にコロナワクチンで不妊になるなら、そういう論文が複数出て、多くの科学者が懸念を示している、とニュースになるはずです。ところが、実際にはそういうことが起こっていない。
コロナワクチンによって、不妊になる、流産する、お子さんが自閉症になるといったことを示した論文や科学的根拠は、今のところ、一切ありません」
不安を煽るデマに騙されないで
