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夫たちよ、「妻のグチを言うオレ」が嬉しいんでしょ?【精神科医の眼】

 夫婦関係の取材をするたび、妻のことをグチる男性に出会う。妻からすると「お互いさまだ!」と思うだろうけれど、夫側の言い分を聞いてみよう。

妻のグチを言う夫たちを精神科医が分析



夫たちよ、「妻のグチを言うオレ」が嬉しいんでしょ?「我が妻こそ下げ妻(いわゆる”さげまん”)」と名乗りを上げた夫2人が、精神科医・春日武彦先生に悩みを打ち明けた。胸の内を話すうち、意外にも妻に対して愛情が芽生える結果に!?

春日:ではまず吉田さんから。奥さん、どう下げ妻なの?

吉田:内助の功っていう意識が全然ないんですよ! 歩合制の営業職に転職したばかりでお金の不安が大きいのに、突如「子供も小学生になったし、稼ぎたいから、私、ヨガインストラクターになる! 学費の80万円出して!」と言い出して。この時期に80万円捻出するの、めっちゃキツかったですよ。

春日:絶対稼げないよね、いきなりヨガインストラクターになっても(笑)。

吉田:付き合っていたときからスイーツ脳の持ち主だとはわかってましたが、こんなタイミングで言い出すなよ、と。「家にこもってると世界が狭くなるから、働きに出たら」とオレが勧めていた手前、却下するわけにもいかなかった。

春日:しかしさ、危機感のない人といると少し安心しない?

吉田:それを言われると返す言葉もない(苦笑)。あと、夫婦間の時間の不平等さは前から感じていて。

春日:例えば?

吉田:オレがクソ忙しくて家に仕事を持ち帰っている隣の部屋で、韓流ドラマをむさぼり尽くしている。『美男ですね』を通しで3回も観たんですよ! 「嫁のために頑張ろう」という気力がそがれる。で、文句を言うと「あんたはジャイアンと結婚したのび太。今さら文句言うな!」と返ってくる。うまいこと言うなと思いましたけど(笑)。

春日:なんか楽しそうだねえ。居酒屋でよくグチのネタになる「わがままな妻に振り回されるオレ」のパターンだね。

定型にはまるっていうのは、多くの人にとって、ある意味幸せなことなんですよ。「女房のグチを言う夫」が世間の標準であり、それにオレもなれたっていうのは嬉しいことみたい。月並みがもたらす安心感ってすごいんですよ。

逆に、定型にはまれないと、それ以下だというふうに感じるみたいね。「尻に敷かれて一人前」って何なんだよと思うけど(笑)。

吉田:確かに、ほかの人が「ウチの嫁なんか、『美男ですね』5回観てたぜ」とか言い出したら「負けた」って思いそう。オレも嫁を利用して、月並みの安心感にはまっているんですね。

春日:末永くお幸せに(笑)。

●吉田さんから見た、妻の下げぶり

 合コンで知り合い、一目惚れした妻はギャル出身のいわゆる“スイーツ脳”の持ち主。専業主婦(26歳)。この夏、夫が転職したばかりの大事なタイミングで「ヨガインストラクターになるから学費出して!」と、大金せびるなど危機感が一切なし。家計の管理を任せられないので吉田さんが担当している。

 愛読誌は『an・an』で、小奇麗な自分探しに余念がない。夫が「内助の功という気持ちがない!」と怒れば逆ギレ。夫曰く「今井メロ似」。

⇒【後編】に続く http://joshi-spa.jp/109382

【春日武彦氏】
精神科医。小説家としても活躍。著書に、『自己愛な人たち』(講談社現代新書)『緘黙: 五百頭病院特命ファイル 』(新潮文庫)など多数

<PHOTO/Ljupco Smokovski>

― 夫がボヤく[下げ妻]の特徴【11】 ―




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