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林遣都『犬部!』が描く多頭飼育崩壊のリアルを、脚本家に聞く「犬猫110匹と住む女性も」

 林遣都さん主演の映画『犬部!』が公開中です。本作の脚本を担当した、テレビディレクター、作家の山田あかねさんにインタビュー。
動物虐待、多頭飼育崩壊現場のリアルと、日本の問題点。映画『犬部!』脚本家に聞く

『犬部!』より

『犬部!』の主人公・颯太のモデルとなった獣医師・太田快作先生に密着した『ザ・ノンフィクション 花子と先生の18年』(2020年フジテレビ)など、これまでに多くの動物関連の作品を生み出している山田さんに、実際に取材で見た多頭飼育崩壊現場のリアルと、日本の問題点を聞きました。 【画像をすべて見る】⇒画像をタップすると次の画像が見られます

多頭飼育崩壊の現場を前に、警察が「問題ない」という日本

――本編に、多頭飼育崩壊を救おうとした颯太が、警察に通報されてしまうエピソードが登場します。山田さんの実体験がヒントになったとか。 山田あかねさん(以下、山田)「2017年くらいにある動物保護団体の人と、保健所の人も一緒に多頭飼育崩壊が起こっている家に行ったんです。飼い主さんは、最初から『お前らに相談することなんてない、帰れ!』と怒っていまして、『フードを持ってきましたよ、困ってませんか』と話しかけてもダメなんです。しばらく待とうと外で待っていたら、『警察呼ぶぞ!』と。そして本当に呼ばれてしまったんです」
多頭飼育崩壊の現場を前に、警察が「問題ない」という日本

「山田あかねさんと愛犬」(C)small hope bay pro

――おお。 山田「警察の人に事情を話しても『少しでも入ったら家宅侵入になっちゃうよ』と。警察は私たちを追い返そうとするんです。でも飼い主さんも気が変わりやすく、『そんなに言うなら猫を見せてやってもいいよ』と入れてくれたんです。10畳くらいの部屋に猫が30匹ぐらいいて、さらに死体もあって、うんちだらけでぐちゃぐちゃ。ものすごく臭くて。警察に『これ、動物虐待ですよね』と言っても『認められない』と」 ――猫はその女性の所有物だと? 山田「そう。所有権は飼い主さんにあるわけだから、問題はないと。『別に猫くらい死んでもいいだろう』という感じが伝わってくるんです。飼い主さんも気が変わりやすいし、こちらが逮捕されることも本当にあるなと感じました。都内のマンションで猫100匹と犬10匹と暮らしている女性にも会いました」

100匹以上の犬猫と暮らす女性

――100匹以上ですか! 山田「私が担当した『ザ・ノンフィクション』を見て、その女性から私の知り合いの団体に助けを求めてきたんです。身寄りがなく中学から働いていて、吉原の風俗店で20歳から40歳くらいまで働いて、そこで知り合った人と結婚したと。昔から憧れだった家庭を持って、ペットを飼いたかったと。でも旦那さんが捕まって刑務所に入ってしまって、お金がなくなってしまった。出ていけと言われていて『石油をまいて、犬猫と心中しようと思っていた』と言うんです」
100匹以上の犬猫と暮らす女性

『犬部!』より

――結局、どうなったんですか? 山田「悪い人じゃないし、話をしながら、コーヒーとかお菓子とか、出してくれるんです。結局、犬と猫はその愛護団体が保護しましたが、その女性は、失踪したと聞いています。修繕費とか払えなかったんじゃないですかね。  でも彼女の話を聞いていて、他人事とは思えなかったんですよね。動物が好きで人間関係がうまく築けないというのは自分もそうなのでよく分かる。過酷な環境に生まれてそうなってしまった部分もあると思う。他にも多頭飼育崩壊した男性からは『その撮った映像で、オレが不利になる使い方をしたら、タダじゃすまないぞ』とすごまれたこともあります。共通して彼らから感じるのは周囲からの孤立ですね
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日本にもアニマルポリスが必要
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