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松坂桃李が土下座し、古田新太が荒れ狂う。「ラストに奇跡が起こった」映画『空白』

鬼気迫る古田新太と土下座する松坂桃李に導かれる奇跡のラスト

空白

©2021『空白』製作委員会

 古田新太と松坂桃李の共演で話題の映画『空白』。メガホンをとるのは『さんかく』『犬猿』などオリジナルではコメディ色の強い作品を多く手がけてきた吉田恵輔監督だ。今作では打って変わって、緊迫感に満ちた骨太の脚本で挑む。 「自分の相方的な人を亡くし、モヤモヤしていたころにNHKのドキュメンタリー番組『ドキュメント72時間』を観ました。阪神大震災で夫を亡くしたおばさんが思い出の海辺の公園を今でも毎日散歩している。  彼女の『みなさん、どうやって折り合いをつけているんでしょうね』という言葉を聞いたとき、俺が言いたかったのはそのセリフ!とハッとさせられました。『受け入れる』『乗り越える』ではない。折り合いのつけられないものに、折り合いをつけようとする人々の話を次は書こうと思ったんです」

映画を観た後いつまでも考えさせられる展開

 映画は中学生の万引未遂から始まる。地方都市の小さなスーパーの店長(松坂)にとがめられた女子中学生(伊東蒼)が、逃走中に車にひかれて死亡。娘を失った父親(古田)は、娘の潔白を晴らそうと暴走を始めていく。観た後も一体何が正解なのかわからずに、いつまでも考えさせられる展開だ。 「20年ぐらい前、古本屋で万引した中学生が逃げて、電車にはねられ死亡する事件がありました。事件の記事を目にしてから、ずっと心の中に引っかかっていたのが相方の死と結びついたんです。  今までは照れ隠しもあって曖昧なセリフが多かった。告白シーンも『監督はこうやって告白しているんだな』と思われてしまうから(笑)。でも今回は逃げずに向き合い、はっきりセリフにした。それがクサくならなかったのは役者のおかげですね」
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ラストシーンを思いついた意外な場所
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