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新感覚の不倫もの。黒木華の妻が漫画を描いて夫・柄本佑を挑発/映画『先生、私の隣に座っていただけませんか?』

『先生、私の隣に座っていただけませんか?』はミステリアスなラブストーリーである。
『先生、私の隣に座っていただけませんか?』

『先生、私の隣に座っていただけませんか?』

新感覚の不倫もの

「先生」とは誰なのか。人気漫画家・佐和子(黒木華)が密かに心を寄せていく教習所の先生(金子大地)と考えるのが妥当だろうが、彼女の夫・俊夫(柄本佑)は漫画家で「先生」と呼ばれることもあるはず。このタイトルには佐和子の隣に座るのが教習所の先生なのか、それとも夫の漫画家かという謎も潜んでいるように見える。  要するに不倫ものなのだが不倫ものにつきまといがちな湿度の高さが感じられずからり、ふわりとしている。というのは不倫が佐和子の描く漫画の中で展開し、虚構なのか現実なのかミステリアスで本来の不倫の罪深さが中和されているからだろう。新感覚の不倫ものである。

妻の描く漫画で夫そっくりなキャラが不倫

 佐和子(黒木華)と俊夫(柄本佑)は漫画家夫婦。このところ俊夫は作品を積極的に描いておらず、佐和子のほうが活躍している。主に俊夫は佐和子の手伝いをしている。一見仲の良い夫婦のようで、佐和子は彼女の担当編集者・千佳(奈緒)と俊夫の仲を疑っていた。  ちょうどその頃、新作漫画を手掛けることになり、今までやったことのないものを描こうと考えた佐和子は「不倫」 をテーマにする。妻の漫画を読んだ俊夫は、佐和子と俊夫にそっくりなキャラクターが登場することに驚く。
『先生、私の隣に座っていただけませんか?』より

『先生、私の隣に座っていただけませんか?』より

 しかも俊夫に似たキャラクターは不倫していて、漫画の回を追うごとに俊夫似のキャラと不倫相手の関係が加熱していくものだから俊夫は佐和子が自分の行いをすべて把握しているのではないかと気が気ではない。  佐和子はまるで何もないように澄ましているが、やがて自動車教習所の先生・新谷(金子大地)といい感じになっていき、今度は俊夫がやきもきして佐和子の行動を執拗(しつよう)に追いかけるようになる。
『先生、私の隣に座っていただけませんか?』より

『先生、私の隣に座っていただけませんか?』より

イケメン漫画キャラと自然にオーバーラップする柄本佑

 序盤の俊夫は千佳が惹かれてしまうだけあるスマートな人物に見える。いまはわけあって漫画を描いていないが漫画の才能もある魅力的な人物のようで、妻の手伝いで漫画を描く姿も職人ぽくていい。  演じる柄本はテレビドラマ「知らなくていいコト」(20年 日本テレビ系)の“尾高”以降、ラブストーリーの相手役もハマることを世間に知らしめた名優である。その後、日曜劇場「天国と地獄~サイコな2人~」(21年 TBS 系)でも彼が演じた主人公を支える誠実で頼りがいのある人物は好感度が高かった。
「先生、私の~」では妻が描くイケメン漫画キャラと自然にオーバーラップしていく。
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あえてドロドロを避けた柄本の意図とは…
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