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伊藤沙莉が芸人兄との対談で見せた、人気と共感が集まる理由とは

伊藤沙莉が人気だ。
自然体な雰囲気が親しみやすい。子役から芸能活動をしていて芸歴は長くバリバリ技巧派のはずなのにそう見せないところが上級者だと思う。 これは決して悪い意味ではない。褒めている。子役から俳優をやっていると若いのに妙なベテラン感が出てしまいがちで、そうすると等身大の役がやりづらくなる。日常ものや恋愛ものではないすこし風変わりな役を任されることも悪いわけではないが親しみやすさからはやや遠ざかる。伊藤沙莉はそうなりそうなところをうまいこと回避したうえ、さらなる飛躍を遂げた。

芸人の兄とのテレビ初対談で見せた気遣い

2月19日放送の「まつもtoなかい マッチングな夜」(フジテレビ)では兄とテレビ初対談を行った伊藤沙莉。それだけでも注目だった上に姉(俊介と沙莉の真ん中)が参加、母や叔母や姉の夫まで続々登場し「伊藤家」として認知されるという盛りに盛った内容で盛り上がりネットニュースにも当然なった。
芸人の家族ネタはテッパンだ。司会の松本人志もかつておかんをテレビに登場させていた。 オズワルド伊藤の畑(バラエティー)で伊藤沙莉は“妹”の役割を見事に演じていた。兄妹であることは確かだが、伊藤沙莉は兄を立てているように気を使って見えた。時々毒づくけれどどこか抑制している。 単純に松本と中居正広にはさまれて緊張していたのかもしれないが。最初に芸能界に出たのが彼女のほうで、しばらくは兄妹関係を兄から口止めされていたというから、そんな兄に気を遣って、あくまで“妹”として引いているように見えた。笑う時、口を手で隠すなど一般人のような身振りもまた控えめさを強調させた。出番が終わって去り際、兄に彼女からそっと語りかけていた姿はとても気遣いの人なのだと感じる。 でもこれが彼女の巧みな演技だと言いたいわけではない。自分の役割をきちっとわきまえて決して余計なことをしないところがすばらしい。彼女が多くの人に請われる理由はそこにあるのではないだろうか。

的確に演じることができ、その場に馴染むよう自分を調整

子役から活動していた伊藤沙莉が注目されたのは朝ドラ「ひよっこ」(17年度前期 NHK)だった。有村架純演じるヒロインの幼馴染に恋してぐいぐい迫っていく自己顕示欲の強い人物を演じていた。ともすればいやな子に見えそうなところ、伊藤沙莉は面白いし健気でかわいいと注目されてブレイク。 その後、アニメ「映像研には手を出すな!」(20年)ではハスキーな声を生かしての主人公の声を担当し好評を博した。演じても良し、声の仕事も良しで、現代のエンタメのニーズに合った。声の仕事はやがて「大豆田とわ子と三人の元夫」(21年 フジテレビ 制作カンテレ)のナレーションでも活かされた。
(画像:『いいね!光源氏くん』NHK公式サイトより)

(画像:『いいね!光源氏くん』NHK公式サイトより)

ヒロインのお友達のようなポジションやコメディリリーフとして性格俳優的な立ち位置でバイプレーヤーとして活躍していくかと思ったら、じょじょにヒロイン的なポジションを確立している伊藤沙莉。 「いいね!光源氏くん」(NHK 20年)では千葉雄大演じる光源氏と恋する現代女性、映画「ボクたちはみんな大人になれなかった」(21年)では森山未來演じる主人公が別れた後も忘れられない元カノを演じ、月9「ミステリと言う勿れ」(フジテレビ 22年)では菅田将暉演じる主人公にうっすら思いを寄せているふうな人物を演じていて、映画「ちょっと思い出しただけ」(以下「ちょい思」22年)では池松壮亮と恋人役でダブル主演している。筆者は地方都市でどん詰まりの状況を生きている人を演じた「獣道」(17年)がわりと好きだ。 獣道
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的確に演じることができ、その場に馴染むよう自分を調整
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