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妻を苦しめ続けたモラハラ夫がドン底へ。離婚後に叫んだ“まさかの言葉”|ドラマ『シジュウカラ』

 山口紗弥加が主演する、新たな年の差ラブストーリー『シジュウカラ』(テレビ東京系)。坂井恵理の原作漫画とともに話題のドラマを、夫婦関係・不倫について著書多数の亀山早苗さんが読み解きます(以下、亀山さんの寄稿)。 【前回記事】⇒“隣のおばさんに買われてた”息子の傷を「あんた、かわいいね」とえぐる母親。その胸中は|ドラマ『シジュウカラ』

思い出の洋楽を熱唱するモラハラ元夫

 ドラマ『シジュウカラ』第11話もまた、なんともせつない展開だった。千秋(板垣李光人)はさらに虚無と孤独の中で生きているし、忍(山口紗弥加)の元夫である洋平(宮崎吐夢)まで壊れていく。  忍に離婚された洋平は、千秋の母・冬子(酒井若菜)をスナックから追い出してママに居座った涼子(和田光沙)に色仕掛けで騙され、お金を持ち逃げされてしまう。すでに電話もつながらない。自分を必要としてくれる涼子に全幅の信頼を置いていた洋平は、あっけなく騙されたのだ。  埠頭(ふとう)で子ども時代から今までを振り返る洋平のつぶやきが滑稽(こっけい)であるがゆえに哀しい。そして洋平がひとり歌うのはビリー・ジョエル『We Didn’t Start the Fire』だ。この曲は、ビリーが生まれた1949年からこの曲が発表された’89年までの歴史的出来事を振り返る歌詞となっている。洋平が自らの人生を振り返るのにぴったりの曲。そしてカラオケでこの歌を歌った洋平を忍が好きになったというエピソードもあった。 【関連記事】⇒40歳妻を誘惑する、22歳男子の目的は?『シジュウカラ』山口紗弥加の演技が光る

洋平役・宮崎吐夢の隠れ持った“狂気”

 歌っているうちにだんだん高揚してくる洋平が怖い。宮崎吐夢の隠れ持った“狂気”がほの見える(役者にとって狂気は大きな魅力のひとつ)。最後に洋平は海に向かって叫ぶ。 「エイドリアーン!」  そしてくるりと振り返って「忍ー!」  同世代以上なら思わず笑ってしまう一言だろう。無粋ながら説明すると、これは映画『ロッキー』の最後のシーン。シルヴェスター・スタローンが演じる三流ボクサーのロッキーが、エイドリアンという女性を愛し、過酷なトレーニングを経てボクサーとして目覚めていくというストーリー。最後はチャンピオンに負けてしまうのだが、己に勝ったロッキーは愛する人の名前を叫ぶのだ。  自分には忍しかいなかったのだ、と洋平が思ったかどうか……。この期に及んでも、振り返ったとき妻を「ちょうどいい女と結婚して」と言っているのだから、洋平の男としての芯はかなり腐っているともいえる。だが、忍より一回り年上の洋平は50代後半。この年代の男は無自覚のうちに女性を下に見ていることが少なくない。暴力や借金がなければいい夫の範疇に入ると信じ込んでいるのだ。だから洋平は叫ぶ。 「オレはそんなに悪いことをしたか」と。 【関連記事】⇒小さなトゲで妻を傷つける「今どきのモラハラ夫」。ベッドで妻から“意外な復讐”|ドラマ『シジュウカラ』
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