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松本穂香が絶賛「絶対好きなやつ!と思って大当たり!」/映画『メタモルフォーゼの縁側』

 数々の映画やドラマに出演している、若手注目株の女優・松本穂香さん。大の映画好きでもあるという松本さんが、現在公開中の話題作『メタモルフォーゼの縁側』について語ります。
銀幕ロンリーガール/松本穂香

松本穂香さん

「絶対好きなやつ!」と思っていた予感が大当たり!

 今回、私が紹介する映画は『メタモルフォーゼの縁側』。芦田愛菜さん演じる17歳の女子高生・うららと、宮本信子さん演じる75歳の雪さんが、BLを通し友情を育む物語だ。
映画『メタモルフォーゼの縁側』

『メタモルフォーゼの縁側』より

 予告を見て「絶対好きなやつ!」と思っていたけれど、その予感は大当たり! とても好みの映画だった。ほっこり泣けるのは想像していたし、そこにもグッときたけれど、なかでも私にガンガン響いたのは、うららの存在だ。控えめなうららは、誰と共有することもなく密かに大切にBLを楽しんでいたけれど、ある日突然、同じクラスの美少女がBL好きに。別世界の人間が自分のテリトリーに踏み込み、“陽”の特性を生かして、堂々と好きを主張する。その光景を見て、自分の大事なものを簡単に奪われたような気がして悲しくなり、「ズルい」とすら感じるうらら。そして、そんな感情を抱く自分に嫌気がさしてしまう……。

学生時代にした悲しい経験が、自分のなかで昇華していく

 このくだりで、私も学生時代に似たような経験をしたなと思い出した。当時の私には大好きなバンドがいて、私の居場所はそこしかなかったのに、ある日、苦手な女のコがそのバンドにハマっていることを知ったのだ。私の好きな人と付き合っている女のコだった。  大事な場所を侵された気がして、授業中にもかかわらず泣いてしまったのを覚えている。うららは当時の私よりずっと大人だけれど、なんとなく重なって見えた。そして、うららが自分の「好き」を声に出して言うたび、あの頃の自分が昇華されていくのを感じた。 「ズルい」とは今の私も思ってしまうし、ここに関しては変わっていない。だけど、その気持ちを「すごい!」「頑張れ!」に変えると、許された気持ちになると最近になって気づいた。過去の自分と今の自分。私の周りにいる大事な人と、その人たちの大事な人。すべては繫がっているのだと思う。だからこそ、目の前のことを大切にすれば、いつかの大切な瞬間に繫がるはず。そんなシンプルな気づきに、大きな勇気をもらえる映画だった。 ●『メタモルフォーゼの縁側 配給/日活 原作は、鶴谷香央理による同名漫画。芦田と宮本のほかに、なにわ男子・高橋恭平、古川琴音らが出演している。脚本は、朝ドラ『ひよっこ』などで知られる岡田惠和。©2022「メタモルフォーゼの縁側」製作委員会 【他の記事を読む】⇒「松本穂香の銀幕ロンリーガール」の一覧はこちらへどうぞ <文/松本穂香> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
松本穂香
’97年、大阪府生まれ。’15年にデビューし、映画やドラマを中心に活躍。週刊SPA!にて、映画コラム「松本穂香の銀幕ロンリーガール」を不定期連載中
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