子供の写真をSNSにのせないで!小児性愛者の異常な執念にゾッ|医師に聞く
子どもの成長を写真とともにSNSに投稿するアカウントは多く、フォロワーからの人気を集めているものもあります。微笑ましい子どもの写真ですが、一方で医師が子どもの写真を安易にアップしないように注意喚起をしたツイートが広がっています。
ツイートには「小児性加害者と話すと『親がSNSにあげる子供の写真を集めるのが趣味。特に夏は水着がよく上がるのでベストシーズン』と答える輩が確かにいる。顔隠しても風景で行く場所は容易に特定される」(ツイート転載)とあり、微笑ましい気持ちで投稿した写真が子どもの性被害につながる危険性をはらんでいることがわかります。
そこでこのツイートを投稿した新生児科医の今西洋介先生に取材。SNSでの子どもの写真投稿と子どもの性被害についてお話を聞いてみました。
――未就学児など、幼い子どもが性被害にあうこともあるのでしょうか。
今西洋介先生(以下、今西)「あります。北アイルランドで生後12日の新生児が性被害にあったという事件もありました。子どもの性被害は子どもが生まれた瞬間から起きうる問題であり、何歳であっても被害者になる可能性があります」
――生後12日というのが信じられません…。
今西「2002年にWHOが18歳未満の女性に行った調査によると、性被害にあったことがあると答えた女性はヨーロッパやアメリカで約9%という数値でした。ヨーロッパやアメリカは子どもの性被害が多いイメージがあると思うのですが、一方のアジアで性被害にあったことがあると答えた女性の割合は約24%です。アジアでは約4人に1人の女性が性被害にあっているということです。この数字からも、子どもの性被害は我々のごく身近にある問題であることがわかります」
※出典:Wihbey J. Global prevalence of child sexual abuse. Journalist Resource.
――子どもがいつ被害者になってもおかしくないということですね。
今西「アメリカの研究者エイブルは性犯罪研究のなかで、性犯罪を犯した加害者を治療することなくそのままにしておくと、生涯で平均して380人の被害者を生むと指摘しています。驚きの数字ですが、この380人という数字に対しては『実際はもっと多いはずだ』と言う専門家もいます」
※出典:Abel GG. he measurment of the cognitive distortions of child molesters. Annals of sex research 1987;25:135-152
――380人という数字にゾッとしました…。
今西「性犯罪の再犯率が一番高いのは強制わいせつ(痴漢)というデータがありますが、その次に多いのが小児わいせつです。『小児わいせつ』と聞くと私たちは『変態的で異常な行動』と考えますが、加害者は依存症であり実際に話を聞くと『おなかが減ったからご飯が食べたい』と同じような感覚で犯行に及んでいることがわかります。また、加害者は加害行為に対して認知の歪みがあり、『子どもから誘ってきた』と思い込んでいたり『性教育になると思った』と言うこともあります」