マクドナルドの「1年で3度の値上げ」は深刻!? 知っておくべき大切なこと2つ
値上げよりも大切なこと。
食料品や外食メニューの値上げが続いています。なかでも注目されているのは、マクドナルド。この1年で3回の値上げを行ったことがニュースやネット上でも話題になっています。
値上げの詳細を見ていくと、この1年(2022年3月の改訂前の価格と比較)でハンバーガーが110円から170円に、ビッグマックは390円から450円となりました。値上げに対する衝撃度は人によってさまざまでしょうが、数値的に“60円値上げ”に落胆している人は少なくないでしょう。
ところが、先日の値上げ後に都内のお店に行ってみたところ、店内は大大大盛況。Uber Eatsやモバイルオーダーのお客がひっきりなしに現れていました。はてはて、値上げのダメージはいかほどか……。
そこで今回は、グローバル規模での値上げ動向をふまえつつ、日本におけるマクドナルドの値上げに潜む、“知っておきたい2つの真実”をご紹介したいと思います。
食料品の価格高騰は日本だけに起こっていることではありません。原材料費、光熱費、流通費、人件費等の上昇が要因となり、世界中で起こっている現象とも言えます。まずはそれをふまえつつ、世界中で販売されている「ビッグマック」の最新価格を見ていきましょう。
このデータから見ていくと、各国におけるビッグマック単品の価格は、
アメリカ…5.36ドル(日本円換算で約689円)/BMI(ビッグマック指数):0
韓国…4900ウォン(日本円換算で約515円)/BMI:-26.0
シンガポール…5.9シンガポールドル(日本円換算で約581円)/BMI:-16.6
ユーロ圏…4.86ユーロ(日本円換算で約688円)/BMI:-1.4
日本…450円/BMI:-34.9
※日本以外は英経済誌『The Economist』公式サイトより2023年1月の数値を引用。日本は執筆時(値上げ後)の価格とレートでBMIを算出。
そうです、日本がダントツに安いことに気がつくはずです。ここで注目したいのはBMIという数値。これは世界的な経済誌『エコノミスト』が、年に2回発表しているビッグマック指数(The Big Mac Index:BMI)のことで、アメリカを基準(0)として数値が算出されています。
ビッグマックは世界の多くの国で販売されていますが、材料や調理法などがほぼ共通で基本的に同じ商品ですから、この数値を見れば各国の物価水準がわかると言われています。つまり、BMI値が高い国ほど、買い物をした時の割高感が強いということになります。日本のBMIはマイナス34.9です!
この状況をみて、「日本はそもそも安いんだから……」と、皆さんに説得するつもりはありません。世界動向を客観的にとらえたときに、日本に住む自分がマクドナルドの商品を買いたいかどうかを今一度、冷静に考えてみる良いきっかけになると思います。
もうひとつ驚いたのは、子ども向けのメニューとして人気の「ハッピーセット」について。
値上げにより、ハンバーガーハッピーセットが490円、チーズバーガーハッピーセットが520円になりました。アメリカでの価格を見てみると、ハンバーガーハッピーセットが2.49ドル(約320円)、チーズバーガーハッピーセットが2.79ドル(約358円)。なんと、ハッピーセットにおいては日本がはるかに高いことがわかります(※アメリカはエリアによって価格が異なることがあります)。
この事実をどうとらえるかはさまざまです。おもちゃのクオリティが違うから仕方ないと考える人もいれば、子ども商品は財布のヒモがゆるいからが高く設定しているのでは?と想像する人がいてもおかしくはありません。
安さと楽しさの感覚にも個人差があります。しかしながら、子どもが喜んで食べるものをなるべく安く提供してほしいと願う子育て世代は少なくないはずです。
このように、マックにおいて今後何を注文するかは立ち止まって考えてみても良いかもしれません。
ビッグマックの価格で見る、日本におけるマックメニューの安さとは?
ハッピーセットはアメリカよりも高かった!
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