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「あずきバーはなぜあんなに硬いのか?」50年前の発売当時は“相場の3倍”でも大ヒット

あずきバーが今年で50周年だそう。 コンビニで店長をしていた筆者にとって、たしかにあずきバーは季節・年齢を問わずよく売れていた記憶がある。紛れもなく「ロングセラー商品」といったイメージだ。 しかし、そもそもなぜあんなに硬いのか、50年間ずっと売れ続けている秘密は何なのか、気になることがどんどん出てくる……! ということで井村屋株式会社 商品開発部 主任 三浦萌さんに話を聞いた。

「あずきバー」の井村屋は、もともと和菓子屋だった

あずきバーもともと和菓子屋だった井村屋が「あずきバー」を発売することになったのは1963年にアイス事業を始めたことがきっかけ。和菓子屋ということもあり、あんこづくりは得意だった。そこで「ぜんざいを凍らせてアイスにできないか」と考えたのが「あずきバー」の始まりなのだそう。 「最初はチョコレート味のアイスなども検討したのですが、井村屋といえばあずきだよね、ということであずきを使用する方向に決まりました。しかし、ぜんざいづくりのノウハウはあったものの、アイスにしたときに、同じおいしさにするのは大変でした。社外秘なので詳しくはお伝えできませんが、独自の技術を応用しながら完成させました」

発売当時の価格は相場の3倍、それでも大ヒットした理由

「あずきバー」は発売直後から大ヒット。当時のアイス1本の相場が10円だったのに対し、あずきバーの価格は30円。かなりの高級品だったにもかかわらず、おいしさが評判を呼び、とてもよく売れたというからすごい! その人気は衰えることなく、2021年度にはシリーズ販売本数が3億本を達成。1秒あたり9.5本売れている計算だ。なぜそこまで長年売れているのだろうか? 「『BOXあずきバー』の原料は砂糖・小豆・水あめ・塩のみです。そこに安心感を抱いてくださる方が多いのではないでしょうか。 また、原料がシンプルだからこそ飽きがこないというのもあると思います。購買層は60代以上が主力ですが、おじいちゃん・おばあちゃん家の冷蔵庫にあるから、とお孫さんが食べたりして幅広い年代の方が召し上がっている印象ですね。近年ではアレルギー・ヴィーガンを気にされる方にも安心して食べられる、と支持していただいています」
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あずきバーが硬い理由って?
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