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ごはんを冷やすだけ。「冷や飯ダイエット」のカラクリ

 夏のダイエット、まだまだ挽回できます。  うだるような暑さ。代謝が上がり、自然に痩せると思いきや、ダイエットがうまく行かずに停滞した夏を過ごしていませんか? 今からでも遅くはありません、賢い食事法を知って、無理ない減量を達成することは可能です。  そこで今回は、夏だからこそ美味しく食べられる「冷や飯」をダイエット食材としてクローズアップ。美味しいお米を我慢せずに痩せられたら、一石二鳥。そんなお話です。 ごはんを冷やすだけ。「冷や飯ダイエット」のカラクリ

冷や飯が太りにくい理由は「レジスタントスターチ」

 量を減らすこともなく、何もふりかけることなく、ご飯を冷やすだけでダイエットになるなんて、あまりに都合が良いと思いませんか? しかしこれは、ある意味、嘘のような本当の話。秘密は、炊いたご飯を冷やすことで、米粒の中に出現する「レジスタントスターチ」にありました。  レジスタント(Resistant)=抵抗する、スターチ(Starch)=でんぷんであり、栄養学的に解釈すると、「消化されにくいでんぷん」。つまり、消化吸収されにくく、カロリーになりにくいということ。この物質、本来は未熟バナナや生ジャガイモ等に多く含まれていて、「快調でんぷん」、「善玉の糖質」とも称されるほど。食物繊維のような性質を持ち、小腸で消化吸収されずに大腸に達し、大腸を綺麗に掃除してくれます。  また、ゆっくり消化されることで、血糖値の急激な上昇を防ぐことから、冷や飯こそ、「夏の暑い時期に、食べやすくて太りにくいごはんメニュー」とも言えるのです。では、早速冷や飯を作ってみましょう。

冷や飯メニューを作るコツ

 炊きたてのご飯を冷やすために、以下の3つさえおさえれば、特別な技術は必要ありません。 (1)しっかり冷やすこと レジスタントスターチが出現する温度は、4~5℃。つまりこれは、冷蔵庫の温度。炊いたご飯の粗熱を取り、ラップをして冷蔵庫で冷やすか、急ぎの場合は、氷水でご飯をさっと洗うのが良いでしょう。 (2)再加熱はNG せっかく冷えたご飯を再度加熱してしまうと、レジスタントスターチは普通のでんぷんに戻ってしまいます。電子レンジ等での再加熱は避けましょう。 (3)もち米はNG 米の品種によって、レジスタントスターチの量は変わってきます。お米の「硬さ」をつくる「アミロース」の含量が多いほど、レジスタントスターチ量が多くなるため、もちもち粘り気のある品種よりもサラサラとハリのあるものを選んでください。玄米や、タイ米等のパラパラした品種がベストですが、日本品種の場合はコシヒカリを。もち米は効果が期待できません。  では、この冷や飯を使った、カンタンで美味しいメニューをご紹介しましょう。

さらっとウマイ!「冷や汁」の作り方

⇒【写真】はコチラ http://joshi-spa.jp/?attachment_id=126119 冷や汁「冷や汁」とは、鎌倉時代から食べられている夏の家庭料理。宮崎県の郷土料理として有名ですが、これこそ冷や飯が大活躍するメニュー。滋養のある「即席料理」としても優れた季節料理と言えます。作り方は簡単、基本材料の冷ご飯、魚の干物、キュウリやナス等の夏野菜、ミョウガやシソ等の香味野菜、味噌(麦みそが美味しい)を組み合わせるだけ。 【材料(2人分)】 「冷や汁」材料一覧・冷や飯 茶碗2杯分 ・アジの干物 1尾 ・キュウリ 大1本 ・ミョウガ 2本 ・シソ 5枚 ・コンブだし 500ml ・麦みそ 大さじ2 ・すり白ゴマ 大さじ1 【作り方】 (1)コンブだしを鍋に入れて火にかける。沸騰したら火を止め、味噌を溶く。荒熱を取り、冷蔵庫で十分に冷やす。 (2)アジの干物を焼いてほぐす。キュウリは薄切りにして軽く塩もみして絞っておく。ミョウガやシソも細く切っておく。 (3)冷えた味噌汁に、干物、キュウリ、ミョウガ、シソ、白ゴマを加えて混ぜ合わせる。冷ご飯にかけていただく。分量外の白ゴマ、柚子の皮、わさびなどを添えても良い。 <TEXT, PHOTO/スギ アカツキ>
スギアカツキ
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12
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