10万人がわざわざ訪れるロングセラーお菓子のイベント、ブーム火付け役となったきっかけは意外な存在
今年で誕生から45年目を迎える「たべっ子どうぶつ」。
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気づけば、ずっと身近にあるお菓子のひとつだが、近年では関連グッズが大きな注目を集めている。見て、食べて楽しめる「たべっ子どうぶつLAND」も期間限定でオープンし、そちらは累計10万人以上が来場。老若男女問わず親しまれているお菓子だ。
長く愛される秘訣とは? お菓子のみならずグッズも大人気の理由は?「たべっ子どうぶつ」を販売する株式会社ギンビス営業本部広報担当吉村萌子さんに話を聞いた。
ギンビス創業は1930年。最初は「宮本製菓」という社名だったが、1945年に営業所を銀座に移し、「銀座ベーカリー」に変更ののち、現在の「ギンビス」となった。
創業者の宮本芳郎氏が大切にしていたのは「真似をされても真似をするな」ということ、そして経営方針の3つのI。「国際性(International)」、「独自性(Independent)」、「教育性(Instructive)」だ。それが具現化されたのが1978年に販売を開始した「たべっ子どうぶつ」なのだそう。
「当時は丸い形や楕円形のビスケットが主流だったので、動物の形はほとんどありませんでした。『たべっ子どうぶつ』のルーツは1969年発売の『動物四十七士』でそれを薄焼きにしたのが『たべっ子どうぶつ』。ビスケットの形は46種類で、動物園で人気な動物を中心に美味しく楽しく食べながら外国語を学べるビスケットです。」
しかし、どうしてどうぶつだったのだろうか。
「社内に資料が残っていないのですが、創業者が自宅で犬、子豚、鳥、子熊などといろいろと動物を飼っていたほど動物好きでした。それがアイディアになったと聞いております。」
まさかの動物好きが高じて長く続くお菓子が誕生するとは……!それにしても、どう飼育していたのか気になるところだ。
ギンビスのモットーは味、品質を変えないということ。「たべっ子どうぶつ」は変わらずピンクのパッケージだ。
ほかの定番商品も「アスパラガスビスケット」は巾着、「しみチョココーン」は袋型のパッケージを変えていない。
そんな中で、どうすればファン層を広げられるかと考えた結果の施策がグッズ化だ。
「2018年ごろから着手し、2019年に発売したカプセルトイから人気が出始めました。カプセルトイのフィギュアは発売した直後に完売しました。そのフィギュアがパッケージとほぼ等身大の大きさで、フィギュアを集めてパッケージと一緒に写真を撮ってSNSに投稿、それをご覧になった方がまた……とお客様同士の交流の中で広がっていきました」
カプセルトイは再販発表当日にちょうどテレビ番組で芸能人の方がハマっているものとして取り上げるなど話題となり、更に拡大していきました。
「カプセルトイのほか、昨年ですとライソンとのカステラメーカー、GUやマクドナルドのハッピーセットなど、コラボもさせていただいています」
これらの反響も大きく、ライソンのカステラメーカーは予約開始後にサーバーダウン、マクドナルドに関しては人気の高さから2週間の販売予定が1週間に短縮された。
人気の高さは「たべっ子どうぶつLAND」にも反映され、動員数は東京と横浜の2会場で16万人に上る。
創業者はどうぶつ好き?

カプセルトイがブームの火付け役に

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