離婚をしても幸せになれる人と、そうでない人の“決定的な違い”
こんにちは、コラムニストのおおしまりえです。
熟年離婚がしたい。そう思っても、大きな決断に躊躇してしまう人も多いかもしれません。近年増えると言われる熟年離婚について、「したい」と思ったらどこから手をつければ良いのでしょう。
前回に続き、熟年離婚の相談を多く受けており、自身も47歳で子連れ熟年離婚を経験しているカウンセラーの緒方リサコさんに、熟年離婚を考え始めたら、着手したいことを聞いていきました。
【前回の記事】⇒「耐えて家庭を守る女性」はもういない…近年の熟年離婚の“リアルな理由”に驚き
離婚したい!と思っても、いわゆる熟年と呼ばれる年代の方々は整理すべきことも多く、なかなか決断できないケースもあると思います。緒方さんは実際にそういった相談者にどういったアドバイスをすることが多いのでしょうか。
「まずは『離婚したい』という気持ちを肯定した上で、『離婚した結果どうなっていきたいか』を一緒に整理していきます。相談者の方の中には、現実逃避の気持ちから、離婚を希望してくる方もいるからです。
離婚したら、自分一人で生きていかなくてはいけません。経済的にも精神的にも言い訳ができなくなります。今までは自分のつらさを夫のせいにできていたものが、全部自分が背負わなくてはいけません。同情ももらえないし、責任も取らなくてはいけない。だからこそ『離婚は通過点』という事実を伝え、通過した自分はどうなりたいかを一緒に整理していきます」
相談者の中には、「もう無理~」と、ただただ責任放棄したい気持ちが募るだけで、その先のプランが無い人も多いのだとか。しかしそれも、緒方さんは「世代特有の価値観も関係しているのでは」と考えます。
「離婚がただの現実逃避になっているのは良くありませんが、こうした他責思考に近い発想は、その世代の人にややありがちな価値観も関係しているように思います。
『熟年』と呼ばれる方々は、ほとんどがバブル(1980年代中盤頃)を経験している世代です。この頃は今と違い、『自分らしさ』の追求をしなくても、そこそこのレールが用意されていた時代でした。
具体的には、大手企業に就職し、結婚して退職し、出産してマイホームや海外旅行などを手に入れることが、いわゆる“幸せのカタチ”として浸透していた時代です。今になって『自分らしい幸せとは』を問われても、今まで『世間が思う幸せのカタチ』を追い求めていたため、どうしたいかが分からないというのはしごく当然です」
熟年における離婚は、今の自分を見つめ、そして離婚後の人生を想像するところから始めることが大切です。緒方さんは、多くの人が心配する経済面や生活面の問題は、その次に考えていけば良いといいます。
人生は長いからこそ、自分を置いてきぼりにするのをやめることが、離婚による満足度を高めるための一歩というわけです。

イメージです(以下同じ)
「離婚したい!」そう思ったらまず始めて欲しいこと

カウンセラーの緒方リサコさん