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“らしく”ない日曜劇場が開幕、『凪のお暇』『妻、小学生になる。』脚本家が挑むオリジナルストーリーのカギとなるのは?

TBS系列・日曜劇場枠が、密かな挑戦をしようとしている。 直近では『日本沈没ー希望のひとー』(2021)『マイファミリー』(2022)『VIVANT』(2023)など、壮大な世界観における、骨太で硬派なオリジナルストーリーで勝負をかけ続けてきた日曜劇場。 しかし、2024年冬クールで送り出すのは、父と娘の関係を主題に据えた『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』(以下、さよならマエストロ)だ。
『さよならマエストロ』公式サイトより

『さよならマエストロ』公式サイトより

脚本は、大島里美

『さよならマエストロ』は、これまで『凪のお暇』(2019)や『妻、小学生になる。』(2022)の脚本を手がけてきた、大島里美によるオリジナルストーリー。 従来の日曜劇場の“作風”とは少々異なって見える。 一話のあらすじを追いつつ、本作が日曜劇場においてどんな立ち位置になっていくかを予想したい。

西島秀俊&芦田愛菜が親子役!

『さよならマエストロ』の主人公は、天才マエストロ(指揮者)・夏目俊平(西島秀俊)と、その娘であり音楽を嫌っている響(芦田愛菜)。 “親子”が主人公という時点で、日曜劇場としては異例に思える。 黒岩勉がオリジナル脚本、二宮和也が主演を務めた『マイファミリー』が、家族愛をテーマにしているぶん系統としては近いだろう。しかし、『マイファミリー』はどちらかというとサスペンスや考察ドラマの色が強かった。 一方の『さよならマエストロ』は、20代の頃から海外を転々とするほどの才能ある指揮者・夏目俊平が主人公。音楽に対する熱量も人一倍の人物で、彼の指揮は観客だけではなく、その指揮を受ける演奏側の心も熱くするものだが、プライベートではマイペースな性格で、家事もまともにできないというもの。 夏目俊平とその娘・響は親子だが、5年前に起こった“とある事件”をきっかけに疎遠になっていた。音楽そのものからも距離を置いていた夏目俊平は、地方の楽団を指揮するために帰国する。それに伴い、響との同居生活が再開することになる……というのが、一話のあらすじである。
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鍵は『リバーサルオーケストラ』との差別化?
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