作り笑いのために顔を整形する営業マン…NHKドラマで43歳俳優が見せる狂気から目が離せない
山下智久かディーン・フジオカか……。このどちらかを決めるのは、まったく断腸の思いではないか!
毎週火曜日よる10時から放送されている『正直不動産2』(NHK総合)は、選べないことをわかっていながら、酷な選択肢を提示してくる。
「イケメンとドラマ」をこよなく愛するコラムニスト・加賀谷健が、コミカルな山下智久に対して、「悪魔的」魅力を極める本作のディーン・フジオカについて解説する。
「アツツツツ、アツツツツ、アツッ…」
登坂不動産No.1営業マン(だった)永瀬財地(山下智久)は、とある建設現場の地鎮祭で、怪しげな石碑と祠(ほこら)を壊してしまったことから、祟られてしまう。それまで巧みな嘘でトップを独走していた彼が、以来、嘘がつけなくなる。
嘘をつこうとしても、どこからか突風が吹付け、本音をぶちまける。正直スタイルの営業に切り替わり、成績は悪くはないが、以前のような圧倒的な数字はあげられない。暮らしはタワマンからぼろアパートへ。
祟りを払おうと試行錯誤。第1話冒頭、泉谷しげる扮する坊主の下、お祓いの炎めがけて永瀬は祈る。でも熱くて近寄れない。それで咄嗟に「アツツツツ、アツッ」。我らが山Pこと、山下智久は、どうやらドタバタなリアクション芸を極めつつあるようだ。

NHK『正直不動産2』公式サイトより
山下智久のドタバタなリアクション芸
最大のライバルが刻むステップ
次世代の新人営業マンの勤務態度に腹を立てた永瀬が、「はい、怒った」と掴みかかろうとする。炎のリアクション同様、山下は、クールなのにお笑い温度が高い演技に終始する。 彼の演技スタイルとしては間違いなく真骨頂だけれど、ここまで安定しているともはや通常運転に見えてくる。俳優であると同時にアーティストでもある山下特有の一定のテンポ感とも言える。 さて、ここにちょっとした不協和音が導入される。テンポはすこし早いが、リズムの刻み方は恐ろしく正確。永瀬に嘘営業スタイルを教えた元師匠にして最大のライバル・神木涼真(ディーン・フジオカ)が刻むステップの華麗さたるや。