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50歳を迎えた篠原涼子、「圧巻の演技力」の原点には“伝説的バラエティ番組”の存在

(画像:『イップス』フジテレビ公式サイトより)

(画像:『イップス』フジテレビ公式サイトより)

これまでの“かっこいい女”のイメージを逆手に取って、新境地を開拓しています。 ミステリーコメディ『イップス』(フジテレビ系)に、バカリズムさんとダブル主演中の篠原涼子さんのことです。 今回は年間・約100本寄稿するドラマ批評コラム連載を持つ筆者が、篠原さんがいかにして新境地に辿り着いたか、解説します。

『ごっつええ感じ』で知名度急上昇

まずは“芸能人・篠原涼子”のキャリアを振り返っていきましょう。 1973年生まれで現在50歳の篠原さん。 1990年、16歳のときにアイドルグループ・東京パフォーマンスドールのメンバーとしてデビューしますが、彼女の知名度を押し上げたのは伝説のバラエティ番組『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ系)でした。 いまのコンプライアンスに照らし合わせるとセクハラ、パワハラまがいのアウトなことばかりでしたが、篠原さんは必死に食らいつき、“体を張れるバラドル”的ポジションを確立していきます。 そして、次なる転機を引き寄せ、ただのバラドルで終わらないところが彼女のすごいところ。 小室哲哉さんプロデュースで1994年にリリースしたシングル曲『恋しさとせつなさと心強さと』が大ヒット。女性ソロ歌手として史上初のダブルミリオン達成という記録を打ち立てます。 けれど残念ながら、大衆の記憶に残るほど流行ったのは『恋しさとせつなさと心強さと』だけで、アーティストとしての人気はわりと早く失速してしまうのです。

『ギフト』『カバチタレ!』で名脇役

それから篠原さんが注力しはじめたのが、現在のキャリアに直接繋がる俳優業。 もちろんいきなり主役やヒロインを演じられるわけではなく、バイプレイヤーとして起用されることが多かったのですが、数々のドラマで“脇でいい味を出すキャラ”を好演していました。 個人的に彼女のバイプレイヤー時代で印象に残っているのは『ギフト』(1997年/フジテレビ系)と『カバチタレ!』(2001年/フジテレビ系)。 木村拓哉さん主演の『ギフト』での役は、主人公に好意を抱いて付きまとう自由奔放なキャラクター。普段はアホっぽい能天気な女なのに、意外と敏感な性質を持つというギャップを繊細に演じていました。 深津絵里さんと常盤貴子さんのダブル主演作『カバチタレ!』での役は、交通課の勝ち気な警官。深津さん演じる行政書士とバチバチに対立するキャラで、嫌味の応酬となる掛け合いが作品の好アクセントになっていたのです。
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“かっこいい女”ブランドを構築
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