元宝塚トップ女優、“終活”への想いを告白「ひとり身なので色々考えちゃいますが…」
元宝塚歌劇団宙組トップスターの凰稀かなめさんが、人気シリーズ第2弾の映画『お終活 再春!人生ラプソディ』に出演しています。
演じる丸山英恵は、高畑淳子さん演じる主人公・大原千賀子にシャンソンを指導し、再びの青春=“再春”のお手伝いをする音楽ライブプロデューサー役です。
人生100年時代、人生を謳歌するための新しい“お終活”を提唱し、“再春”がテーマの本作では、これからも続いていく自分の人生を楽しく豊かに過ごそうと奮闘する主人公の姿が描かれます。
凰稀かなめさん自身も、本作から受け取ったものが少なくないと言います。作品のこと、そして芸能活動25周年を前に現在の心境を聞きました。
――丸山英恵というキャラクターを演じてみてどうでしたか?
凰稀かなめ(以下、凰稀):英恵さんは、高畑さん演じる千賀子さんの“再春”のお手伝いをする女性です。もともと千賀子さんは彼女の母親にシャンソンを習っていたのですが、結婚後辞めていたんです。改めて人生で新しいことをやろうと思ったときに、そのことを思い出して英恵の母親に会いに来るのですが、母親は亡くなっていまして。
そこで教室を引き継いだ英恵が、千賀子さんにシャンソンを教えます。自分のコンサートにも千賀子さんを誘い、一緒に人生を楽しんで行きましょうというお手伝いをします。
――シャンソンなど、ご自身に近い役柄でしたか?
凰稀:そうですね。ただ、長塚京三さん演じる英恵の父親との関係性(幼少期に生き別れた後に再会を果たす)は経験がないことでしたが、ただ、長塚さんとは「初めまして」だったので、そのまま長くお話をせずに撮影を始められたことで、久しぶりの父娘再会の表現の助けになったところはあったかも知れません。高畑さんとは短い期間で一気に共演させていただいたのですが、わたしにアドバイスもしてくださったので、助けていただきました。とても貴重な時間になりました。
――終活と聞くと寂しい感じもしますが、現状を整理しておくと気持ちも前向きになるとよく言いますよね。それに、再春というテーマはとても素敵だなと思いました。
凰稀:そうなんです。歳を取るとどうしてもできないことが出てくるので、できることをやってみようと、違う視点で物事を見ていけたらもっと人生が楽しくなると思うんです。
「あの頃はできていたのに今はできない」という考え方ではなく、「今できるほかのことをやってみよう」とポジティブな方向に持っていってあげるといいと、介護の本にも書いてあって。同時に、そういう周囲のサポートも要るのかなと思うんです。
――今回の映画のように観て楽しかった、感動したで終わってもいいのですが、人生のヒントになるのもよいですね。
凰稀:そうですね。老いのことは、若いうちにやっておくことが大切だと本で読んだこともあります。早め早めに動くというか、自分もいつかそうなるから、やっておかないといけないことがありますよね。わたしはひとり身なので、どうしようかなといろいろ考えちゃいますが、この映画はわたしにもすごくいいきっかけになったと思います。
調べるといろいろと情報が出てくるので、それを実践してやっていけるんですよね。きっとこれからどんどん事情も変わってくると思うので、介護などの知識を入れておくだけでも全然違うなとは改めて思いました。完ぺきでなくても、ちょっと知っておくだけでも全然違いますよね。

主人公にシャンソンを教える役柄
“再春”は「今できることをやってみよう」の視点で

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