『ライオンの隠れ家』自閉スペクトラム症の弟で評判の27歳俳優「死別の経験がずっとつきまとう」わけは?
2020年以降の出演作の一部を挙げるだけでも、ドラマ『真犯人フラグ』(日本テレビ系)や『リバーサルオーケストラ』(同)、『きのう何食べた? season2』(テレビ東京系)などの話題作に次々と出演してきている坂東龍汰さん(27歳)。
そして、柳楽優弥さんが主演を務めた昨年10月期の『ライオンの隠れ家』(TBS系)では、自閉スペクトラム症の青年“みっくん”こと小森美路人(こもり・みちと)を演じて大評判を集めました。
そんな坂東さんの初の単独主演映画となった『君の忘れ方』の公開が始まりました。
映画のことはもちろん、実は『君の忘れ方』や『ライオンの隠れ家』に通じていたという、坂東さんが高校時代に制作したクレイアニメについての話などを聞きました。
――『君の忘れ方』は初の単独主演ですが、ニュース解禁されたのは1年以上前。目にしたときに「先!」と思ったのをよく覚えています。
坂東龍汰さん(以下、坂東):思い出しました。そうでしたね。
岐阜での撮影中の解禁だったんです。実家の家族から連絡が来ました。「おお、主演やるんや! ええやん、ええやん」って。
「繊細な作品で大変なんだよ」と話したら、父から「煮詰まらないように、ちゃんと息抜きしながら頑張って」と言ってもらいました。
――「繊細な作品」と言われたとおり、坂東さんが演じるのは、結婚予定だった恋人・美紀(西野七瀬)を、交通事故で失った主人公・昴。彼が東京から故郷へと帰り、出会いをきかっけに前へと進もうとしていく物語です。
坂東:僕には経験したことがないことなので、大変な役だなと。知らない感情と向き合わなければいけない。作道(雄)監督のオリジナル脚本なので、監督とちゃんと話し合って、しっかり作っていかなきゃと思いました。
――美紀は本編スタート後、すぐに亡くなってしまいます。演じる西野さんとは、美紀が生きていたころのふたりの写真を撮影するため、丸1日かけてロケしたそうですね。
坂東:「初めまして」でしたし、美紀と昴としてその日過ごせたことは、僕のなかですごく大きかったです。その気持ちを頼りに、昴の感情を作っていくことができました。
写真をもらってからは、クランクインまでちゃんと想像というか、イメージを膨らませていきました。
――西野さんはどんな方でした?
坂東:すごく物腰が柔らかくてフラットでニュートラルな方。とても接しやすくて安心しました。西野さんが美紀で本当によかったです。
――実は、岐阜のシーンにも西野さんは登場します。
坂東:そうなんですよ。この作品って、ミステリーも入っていて、そこにヒューマンも入って、ラブストーリーもあって、エンタメとしてもすごく面白いつくりになってると思うんです。でもそこから感じる匂いはやっぱりとても映画的というか。
西野さんがほとんどセリフのない難しい役を引き受けてくださってすごくうれしかったし、岐阜に来てくださるのも、とても楽しみでした。

坂東龍汰さん
単独主演映画に家族も「ええやん!」と祝福

映画『君の忘れ方』より ©「君の忘れ方」製作委員会2024
恋人役の西野七瀬と丸1日かけて“思い出”の写真を撮影

映画『君の忘れ方』より ©「君の忘れ方」製作委員会2024