大河ドラマで泣き叫び呪詛する“怪演”35歳女優。一転「原節子をイメージ」して新作に挑んだワケ
昨年のNHK大河ドラマ『光る君へ』で、柄本佑さんの演じた藤原道長の側室・源明子を演じた瀧内公美さん(35歳)。亡き父の敵を呪詛したり、泣き狂うといったキャラクターの個性を際立たせ、印象付けました。
現在は、昨年の東京国際映画祭で東京グランプリ、最優秀男優賞(長塚京三)、最優秀監督賞(吉田大八)の3冠に輝いた映画『敵』が公開中。
3月に発表されるアジア全域版アカデミー賞こと、第18回アジア・フィルム・アワード(AFA)では、作品賞を含む6部門にノミネート。瀧内さんも助演女優賞でノミネートされています。
映画やテレビドラマに話題作が続く瀧内さんに、後半の展開にビックリさせられる『敵』出演にまつわるお話や、柄本さんとの再共演となった『光る君へ』出演時のことなどを聞きました。
――映画ファンには以前より実力を知られていた瀧内さんですが、テレビドラマでも人気です。近年では、まずNHKの男女逆転『大奥』Season2「幕末編」での阿部正弘役が大変好評でした。
瀧内公美さん(以下、瀧内):阿部正弘は本当に素敵なお役でした。ご一緒させてもらった大奥のスタッフの皆さんが本当に素晴らしい方々で、あのチームに出会えたことがなによりの財産でした。
――そして昨年の大河ドラマ『光る君へ』では、藤原道長(柄本佑)の側室、源明子を演じました。
瀧内:出演発表になったときの反響がこれまでになく大きかったです。私はインディーズ系の映画に多く出演してきました。“全国民が視聴できる”、大河ドラマに参加させてもらえたことは、本当にありがたい経験でした。
そして富山にいる両親が喜んでくれたことが一番嬉しかったことです。少しは親孝行できたかなと。
――柄本さんとは、映画『火口のふたり』(2019)でダブル主演を務めた仲です。
瀧内:佑さんとのお芝居は、やっぱり安心感があります。すごくホッとする存在ですし、私にとっては言葉を交わさなくても何か通ずるものがある俳優さんですので、お相手役というのは大変心強かったです。
昨年の大河ドラマ『光る君へ』、出演発表時の反響は?
柄本佑とふたたび共演。泣き叫び呪詛する激しさを楽しむ
――完走した思いは? 瀧内:『光る君へ』は主人公のまひろを演じた吉高由里子さんパートと、道長を演じた佑さんパートのような感じで分かれていて、私は佑さんパートが多かったのですが。 スポット的な出演だったので、完走というほどのことではなかったのですが、出てくるたびに飛び道具的な感じで登場していたので、脚本が来るたびに「次は何が起きるんだろう、何をやるんだろう」とちょっと怖かったです。 ――怖かった(笑) 瀧内:平安の雅(みやび)たおやかな世界の中で、たとえば「呪詛する」とか、泣き狂ったりして全然たおやかとは程遠く(笑)、恐ろしさもありつつ、明子さまの起伏の激しさを楽しませていただきました。
