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米津玄師、尾崎豊と同じ“カリスマ”だと証明したワケ。ネットが驚いた発言とは?

 ガンダム最新作の主題歌「Plazma」とアニメ『メダリスト』のオープニング主題歌「BOW AND ARROW」を立て続けにリリースした米津玄師が『音楽ナタリー』のインタビューに登場。その中で「べらぼうに面白い」と言及した『教養主義の没落 変わりゆくエリート学生文化』(著 竹内洋 中公新書)が再び売上を伸ばし、重版がかかるほどの反響を呼んでいます。

米津玄師、哲学者ニーチェに言及すれば話題に

 この本は、“多くの書物に触れ知識を得て、それを社会のために還元していく”という、かつての大学では当然のものとされていた教養主義が、1970年代以降衰退していく様を社会学的に分析しています。  また同インタビューでは、80年代に『構造と力』がベストセラーとなり、“ニュー・アカデミズム”を牽引した哲学者の浅田彰氏がニーチェの「超人」について論じた文章についても触れています。  これも“ドイツの哲学者ハイデガーとフランスの哲学者ドゥルーズの「超人」解釈の違いを解説した浅田の37年前の文章のことでは?”などとネット上で注目を集め、いまやミュージシャンという枠を超えたインフルエンサー的な存在になっていると感じます。  もちろん、影響を受けた本や映画など、音楽以外のことを語るミュージシャンは米津だけではありません。米津よりもさらに詳しく、深く探求している人もいるでしょう。けれども、ここまで大きなムーブメントを起こせる人は米津だけです。  その違いはどこにあるのでしょうか?

話の内容以上にカリスマ性からくる驚きが重要

 月並みな言い方になりますが、何よりも大きいのはカリスマ性の有無です。より正確に言うならば、孤高であり、他人と群れない存在であるということですね。
 もっとも、周囲がそうしたイメージを抱くことを、本人は否定するかもしれません。実際には社交的で楽しいことが大好きかもしれない。  しかしながら、ミュージシャンやアーティストは、“人からそう見られること”をあえて有効的に活用できる部分もあります。とがったビジュアルと低い声でゆっくりとしゃべる語り口があいまって、そこには神秘性が帯びてくる。その姿が浮かぶから、「ニーチェ」というワードにプレミア感が生まれるのですね。  つまり、話の内容以上に、“あの米津玄師からニーチェ、浅田彰の名前が出た!!”という驚きこそが重要なのです。
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語りすぎない態度がかえってインパクトを強める
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