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公務員への夢破れ、ひきこもりに。「コミュ力不足」がまねいた無職生活

仕事もない、友達も少ない、結婚相手もいない……そんなオトナが増えている。急増するSNEP(スネップ=孤立無業者)。決してヒトゴトではない「無職・独身」のリアルとは?

両親との仲は良好だが……職探しはしない毎日



●田中啓太さん(仮名・37歳)のケース

・職歴:大学卒。簿記、ファイナンシャルプランナーの資格取得するも、流通系企業に2年半勤務後に退社。
・現在の貯蓄額:約100万円

 これまで一度も実家を出たことがないという北海道在住の田中さん。

「父が公務員だったので自分も公務員になろうと幼い頃から思っていました。でも、大学時代から5年以上公務員採用試験に落ち続け、ショックでしばらくひきこもり状態になりました」

40代で月収5万の家庭教師…大学院卒ワーキングプアの現実 それまでバイト経験すらなかった田中さん。30歳のとき、念願の初就職を果たしたが、「人間関係でいろいろあって……」とわずか2年半で辞めてしまう。

 それから2年が過ぎたが、「原因不明の体調不良に悩まされ、現在は療養中です」と職探しは行っていない。

「でも、ひきこもっているわけじゃありませんよ。両親と一緒に食事もしますし、冬場は雪かきが日課で、ご近所さんと話しながら雪かきしています」

 体調不良の割には妙に明るいが、昔からの友人たちとはだんだん疎遠になっていったという。現在連絡を取り合う友人はおらず、誰の連絡先も知らない。また、パソコンもなく、ネットで繋がっているわけでもない。

「いつも本を読んだり、テレビを見たり、それでも結構時間が過ぎますよ。本当はゲーマーなんですが、自戒の念をこめて仕事が見つかるまでゲームはやりません。これ以上は堕落したくないので」

 タバコや酒もやらず、出費といえば携帯電話代くらいなので、実家で暮らす限り生活に困らない。

「焦る気持ちもありますし、周りに対する引け目もあります。自分がこんな状態であることを知られるのは怖い。でも、今さらジタバタしたってしょうがない(苦笑)」

 今は生活の心配は特にないが、「他人とコミュニケーションをとるのが苦手」という田中さん。ご両親が亡くなった後は一体どうするのだろうか……。

<PHOTO/Khorzhevska>

― 「未来が見えない!」35歳以上[無職・独身者]のリアル【9】 ―




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