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みうらじゅん「初の仏像フィギュア監修」を語る

 みうらじゅんさん監修の仏像が、5月24日にハイセンス仏像ブランド・イSム(イスム)より発売されました。ミスター仏像・みうらさんが選んだのは、鳥取県三徳山三彿寺の「蔵王権現(ざおうごんげん)」。凄まじい怒りの形相をした仏像です。前回の記事「5分で仏女になれる超カンタン仏像入門(http://joshi-spa.jp/12862)」では“怒っている仏像=明王”と書きましたが、蔵王権現はプンプン怒っているにも関わらず「その他」に分類されます。

レアキャラ仏像「蔵王権現」

蔵王権現

イSムより発売になった「蔵王権現(ざおうごんげん)」像。http://isumu-shop.jp/isumu/7.1/tc3515/

 蔵王権現()は“レアキャラ”です。基本的に仏像はインドに由来しています(インド人のゴータマ・シッダールタさんが悟りを開いて仏になりました)が、神(日本由来)が仏(インド由来)の姿を借りて現れたのが蔵王権現です。「神仏習合」と呼ばれる思想に基づいた日本独自の存在なのです。 ※画像はこちら
http://joshi-spa.jp/?attachment_id=14392
 奈良時代、役行者(えんのぎょうじゃ)という呪術者が山に篭って「こんな世の中じゃポイズン」と守護神を求めて祈ったところ、蔵王権現が現れました。(山に登って祈れば神サマが現れる……!)そんな希望を抱いた私は、羽田から鳥取へ飛び立ちました。

記者、三徳山に登る。

「山岳修行による超自然の獲得に基づいた宗教」を修験道(しゅげんどう)といいます。あくまで修行なので、パンプスで高尾山に登るのとはワケが違います。草履を履いて険しい岩山を登りながら、大げさでなく死を覚悟しました。(死ぬ……死ぬ……きっと死ぬ……)と心の中でつぶやきながら一歩一歩、進んでいくと、ついにウワサの投入堂が! ⇒【写真】http://joshi-spa.jp/?attachment_id=14419  絶壁の空洞に「スポっ」と収まっているその外観は、まさに超自然! でも不思議とどこか可愛らしい! シルバニアファミリーのお家みたい! これぞ神秘! ガイドブックには「投入堂を拝むと人生観が変わる」と書いてあります。……人生観、変わった気がする! 神サマ、ゲット!

みうらじゅんさんインタビュー

 東京へ帰ってきて、みうらじゅんさんの事務所を訪ねました。応接室に現れたみうらさんを一目見て、(役行者にちょっと似ている!)気がしたことはさておき、後光のようなオーラに圧倒されつつ取材が始まりました。
みうらじゅん氏

みうらじゅん氏

――監修に当たって、なぜ三彿寺の蔵王権現像を選んだんですか? 「子供の頃から好きだったし、何よりもお寺の許可が下りたことが大きかったですね。そもそも多くの仏像フィギュアって、アーティスト非公認グッズなんですよ。武道館の脇で売ってるようなやつ。この蔵王権現は日本で初めての公認フィギュアじゃないですかね。ここまで本物そっくりにできるとはねぇ」 ――蔵王権現の魅力はどこでしょうか? 「不自然なまでのバランス感ですね。このポーズ、やってみたけど出来ないですよ(笑)。右手と右足をこんなに上げてね。山で何十年も修行しないとムリでしょう。体はね、金剛力士の筋肉隆々な感じとは違う。金剛力士の体はプロテイン入ってますけど、蔵王権現は山で自然に作られた肉体だと思うんですよ」 ――蔵王権現って、あまり見たことがない仏像な気がします 「国宝や重文に指定されてるものも少ないしね。アウトローですよね。こういうフィギュアを家に置く人って、秘めたるパワーありですよね。弥勒菩薩を置いてる人とはちょっと違う。なんか聞くのも憚るような理由がありそうな気がするでしょ。かなりのマニア仕様ですよね」 ――みうらさんが三徳山に登った時のことを教えてください 「まだ小学校低学年だったけど、全然つらくなかったですね。子供はつらくないですよ、絶倫だもの(笑)。歳とってから登るのはキツイでしょ。みなさんも若いうちに登られることをお推めします」 ――初めて蔵王権現を見たときの印象はどうでしたか? 「ものすごくミステリアスな像だなと思いました。ミステリアスな感じはいまだにしますね。やはり山岳の宗教の奥深さですよ」 ――山の中にお寺がある、というのは不思議な感じがしますが 「神仏習合というのが、今も山奥だとより色濃く残っているんですよね。仏像を好きになっていく段階で、だれしも神仏にぶち当たって一度ワケがわからなくなるんですけどね(笑)。オレも一時、ワケわからなくなりました。結局、“変身”なんですけどね。変化というのかな、後の仮面ライダーみないなことですよ」 ――ぶち当たったらどうすればよいでしょうか? 「お寺に行くようになると、(なんでお寺に神社があるの?)ということに必ずぶち当たります。そこを諦めないで、ずっと唱えてると3~4年でなんとなく分かってくるもんなんです」 ――“唱える”というのは、お経かなにか? 「ではなくて、『しんぶつしゅうごう、しんぶつしゅうごう……』ってぶつぶつ唱えるんですよ、日々ね。そうすると頭が慣れてくるというか。常識にとらわれないというか。そこさえ分かれば面白いんだよね、仏像の世界って。特に日本はね」 ⇒【後編】へ続く http://joshi-spa.jp/14610 ●イSム(イスム) http://isumu-shop.jp/isumu/7.1/tc3515/ <TEXT/尾崎ムギ子 撮影/遠藤修哉(本誌)>
尾崎ムギ子
体当たり系取材を得意とする赤毛の汗かきライター。東京生まれブルーハーツ育ち。ロックな奴はだいたい友達
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