みうらじゅん「初の仏像フィギュア監修」を語る【後編】

 空前の仏像ブーム。みうらじゅんさん監修の仏像が、5月24日にハイセンス仏像ブランド・イSム(イスム)より発売になりました。自称・仏女の記者としては見逃すわけにはいかない! さっそくみうらさんに取材を申込んだところ、快諾していただきました。事務所を訪ね、応接室に現れたみうらさんを一目見て、(役行者にちょっと似ている!)気がしたことはさておき、後光のようなオーラに圧倒されつつ取材が始まりました。

みうらじゅんさんインタビュー【後編】

⇒【前編】はこちら ――パワースポットとしてお寺巡りをする女性が増えていますが
みうらじゅん氏

ジオラマのように仏像を飾るのがみうら流

「特に神社って、鎮魂って意味合いが大きいでしょ。山の宗教は中央に反発してた時期もありましたし、とてもロックっぽいですね」 ――みうらさんの仏像好きは、小学生の頃からの筋金入りですよね 「でもお寺が好きで仏像に詳しくてもモテないっていうことに中2くらいで気づいたんです(笑)。女のコと初デートで東寺に行って仏像の説明をしてたら、『帰っていいかな』って言われてすごいショックだった。つい最近の『国宝 阿修羅展』からだよね、やっとモテキに入ったのは(笑)」 ――「阿修羅展」は若い人たちに大人気でしたね 「ちょっと前までは、お寺というとお年寄りのイメージだったでしょ。そろそろ極楽が見えてきた人が、予行練習のために行くものだったからね(笑)。でもお寺って極楽だけじゃなくて、超人になる術をストイックに学ぶところもあるんですよね。雲に乗って役行者も佐渡からお戻りになってますから。そこを信じられるとロマンが生まれるんです」 ――みうらさんは子供の頃、超人になるという感覚があったんですか? 「オレは怪獣世代だから。ウルトラマンが始まったのが小学4年くらい。ウルトラのベースになるものがモロ仏像だったんです。遠い何億光年かなたからやってきて地球を救うっていう設定はモロ仏教でしょ。特撮の世界が先だったからすんなり入れたんですね」 ――特撮ということは、仏像好きは元々、男の子、特有なんでしょうか? 「女子はどちらかというと魔法でしょ。ハリーポッターならOKでしょ。西洋のものには憧れがあるでしょ。三徳山で役行者が投入堂を山に投げたっていう話も男はさ、カッコイイって思っちゃうんだけどね」 ――最近は、仏像が好きな“仏女”が増えていますが 「残念、40年くらい前にほしかったですね、仏女。初デート失敗ってことにならなかったのに(笑)。ちょっと僕としては遅かったなって思います」 ――私もですが、仏女ってミーハーな人が多いですよね 「そうでもないですよ。男は特撮から入って“カッコイイ”ってなるけど、女の人って、さらに突き進んで宗教にいっちゃうでしょ。男は仏像が好きでも、どこかでマニアっていう気持ちがあって、一応セーブ機能が働いちゃうんです」 ――その違いはなんでしょうか? 「男はカンペキ、形態だけでしょ。形だから。女体が好きなのと同じなんだよね。仕方なく女体が好きなんだもん。それで叱られるんだよ、女の人に。『それは愛じゃない!』って。男ってね、出だしは愛じゃないんですよ。フォルムを愛してますから。しょうがないよ、そこは。精神面なんてね、大人になっても分からないよ(笑)」 ――「阿修羅はイケメン!」という女性も、その心理……? 「いま女性に人気なのは興福寺の阿修羅像でしょ。やっぱ光明皇后がプロデュースされてますから。プロデューサーが女の人だから、当然、ジャニーズ入ってくるでしょ。とりわけ光明皇后がプロデュースされたものは、みんな美少年ですね」 ――最後に。三徳山で蔵王権現に出会って、人生観は変わりましたか? 「人生観ってまだ、なかったですね。小学生だったから(笑)」 ――ありがとうございました……。  みうらさんを取材して思った。(得体の知れない人生観より、「女体のフォルムを愛してる」とサラリと言えるみうらさんのカッコよさを身につけたい)。 ●イSム(イスム) http://isumu-shop.jp/isumu/7.1/tc3515/ <TEXT/尾崎ムギ子 撮影/遠藤修哉(本誌)>
尾崎ムギ子
体当たり系取材を得意とする赤毛の汗かきライター。東京生まれブルーハーツ育ち。ロックな奴はだいたい友達
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