“態度悪い”と言われる前田敦子の素顔は?

映画『さよなら歌舞伎町』が早くも話題だ。主演の前田敦子は、これまで名だたる映画監督の作品に出演し、彼らから絶賛の言葉を受けているにも関わらず、どうして世間では「女優・前田敦子」が評価されないというギャップが生まれるのだろうか。そこで今回は、映画監督の松江哲明さんに話を聞いてみた。 ⇒【前編】「“低視聴率女優”の前田敦子が映画監督たちに愛される理由」はコチラ もらとりあむタマ子

素顔の前田敦子は“ネコっぽい”

――“態度悪い”なんて話を聞きますが、実際にお会いするとどんな印象ですか。 松江:瞬発力が凄いです。映画の感想を求めても、この映画のどこがよかったっていう一言がズバっと決まりますね。あと、山下くんも言ってましたけど“ネコっぽい”です。今、この話をしてても次の興味あるものに、ふっといっちゃう危なっかしい感じ。それと、自然体で媚びない人です。かと思えば、ネコみたいに甘え上手で、人の心を掴むのがうまいなと思います。 ――そうは言っても「女優・前田敦子」に対する世間の風当たりは強いですよね。理由のひとつとして、映画とドラマの違いが影響しているように思えるのですが。
松江哲明

松江哲明監督

松江:演出の仕方に対して「合う」「合わない」はあると思います。テレビドラマに出て、輝く俳優さんもいれば、そうじゃない人もいて。映画とテレビドラマの演出の仕方は全然違うんです。脚本どおりに演じてもらって、細かくカットしていくのがテレビドラマの演出で。あと、テレビドラマはモニターの数が多くて、監督がブースから出て来ないこともあるんです。 『さよなら歌舞伎町』のゲリラ撮影で、自転車でずーっと走る長いカットがあるんですよ。前田さんのすごいところは、失敗するとまた頭からやらなきゃいけない大変なカットを、バチっと決めるんですよ。ドラマの演出だと、編集できるようにいろんなアングルで撮るので、この緊張感は消えちゃうんです。 ――前田敦子さんは色々な映画をよく観ているそうですが、『Quick Japan』で「映画は、町山智浩さんとかが評論してくださる方がおもしろいから、自分は作品に対して深い感想は言わない」という趣旨の発言をされています。 松江:実際にお会いしても、謙虚な方ですね。映画はあくまで監督のものであって、共同作業だということをちゃんと自覚されてる方です。役者として映画のために参加してるみたいな考え方なんじゃないですか。映画とテレビドラマの明確な違いをわかっている人ですね。 前田さんの出演作は、単館公開でレイトショーが似合う、玄人ウケする映画が多いですよね。正直、『もらとりあむタマ子』のような映画に喜んで出てくれてることが僕らからするとびっくりなんです。でも、映画の規模に関係なく、やりたい企画をやるっていう、ご本人はまったくその垣根がないですよね。前田さんと康すおんさんが一緒に並んでる絵がどれだけすごいことか。

見る人によって感情の共有が変わる演技

――前田敦子が出演したドラマの視聴率は低い、というニュースを見かけます。 松江:1ミリも気にすることないですよ。ああいう声って、元AKBのセンターだった前田さんだから言ってもいいだろうみたいな、甘えだと思いますよ。前田さんはそんなことを気にせず、ひょいひょいっと越えているんだろうなと思います。 熱演が似合わないし、頑張ってるようにまったく見えないのがすごいですね。前田さんはぼーっとしてるだけで「この子、悲しいのかな、どっちなのかな」みたいな、お客さんの気持ちによって共有する感情が変わるんです。お客さんの心によって感じ方が変えられる人、それが映画のお芝居ですね。 ――今後、前田敦子さんがどんな役をやったらおもしろいと思いますか。 松江:普通の恋愛映画でもいいと思うんですけど、ただ、監督が違うだけでぜんぜん変わるので、個性的な監督と組んでほしいですね。『さよなら歌舞伎町』にしても、監督が廣木隆一さんで脚本が荒井晴彦さんで、共演が染谷将太さんや村上淳さんがいる現場に前田さんがいることがすごくいいなと。 海外なら『グエムル-漢江の怪物-』のポン・ジュノ監督や、『バベル』のイニャリトゥ監督のような、映画の作り方を革新する人と出会ってほしいです。永瀬正敏さんとか浅野忠信さんとか、若手俳優だと染谷さん、池松さん、安藤サクラさんとか、映画をおもしろくする俳優さんって、何年かごとに出るんですよ。前田さんには「一緒に日本映画を盛り上げてください」という気持ちです。 ――最後に、どの作品がオススメなのか聞かせてください。 松江:「前田敦子は女優としてどうなんだ」という人は、とりあえず『もらとりあむタマ子』『Seventh Code』『DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る』の3本は観てほしいです。この3本を観ても「どうなんだ」と言えるのか、と聞いてみたいですね。劇映画、ドキュメンタリーを問わずスクリーンの中で、こういうことをできる人っていないだろうと僕は言いたいです。 ●映画『さよなら歌舞伎町』 2015年1月24日(土)テアトル新宿ほか全国順次公開 出演:染谷将太、前田敦子、我妻三輪子、田口トモロヲ、村上淳、松重豊ほか http://www.sayonara-kabukicho.com/ 【松江 哲明/Tetsuaki Matsue】 1977年生まれ。ドキュメンタリー監督。テレビ東京系にて、清野とおるのエッセイ漫画を題材にした『山田孝之の東京都北区赤羽』が2015年1月9日(金)深夜0時52分~放送(山下敦弘と共同監督)。漫画家・大橋裕之原作、岩井澤健治監督のアニメ映画『音楽』をプロデュース。代表作に『フラッシュバックメモリーズ3D』など。SPA!にて「シネマ・スープレックス!」を連載中 @tiptop_matsue <TEXT/北村篤裕>
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