Lifestyle

旦那の浮気に悩み、あやしい電話占いにハマッた私 【シングルマザー、家を買う/第1章】

<シングルマザー、家を買う/第1章>

バツイチ、2人の子持ち、仕事はフリーライター……。そんな崖っぷちのシングルマザーが、すべてのシングルマザー&予備軍の役に立つ話や、役に立たない話を綴ります。


================

 旦那の浮気が発覚し、2人の子供を抱えて別居生活が始まった。

 心が押しつぶされそうになったときに、運命的な出会いは訪れた。

 まだまだ待機児童のため、保育園に入れない子供2人を寝かしつけ、中学生向け雑誌のテンションの高い原稿をWEBメールで送信後、ポンと現れたのがひとつの広告。その言葉に思わず息を呑んだ。

「あなたの悩み、解決します」

ドーン! 喪黒福造!? ついに私の元に!?

あなたの悩み、解決します 深夜2時を超えて、判断力が鈍っている私にこのキャッチコピーがまるで天からのメッセージだと思った。迷いもせずにそのキャッチコピーをクリックすると、そこは『魔法のじゅうたん』(仮名)という“電話占い”のサイトだった。

「一分198円」のお手ごろ価格に……



 動きの鈍いトップページには、悩みを解決する様を雲が晴れるように表現したかったようだが、どうやらフラッシュが重いらしく、その雲はなかなか動かず、じれったい。最初からそこであやしいと思うのが普通だと思うのだが、もう精神状態は「早く解決して」という一本木の通った状態なので、フラッシュが重いくらいでは惑わされない。

 そのサイトでは一分198円でどんな悩みも占ってくれると言うのだ。その時点で「お手ごろ!」と思ってしまった当時の私は相当悩みが深かったのだろう。

 占い師の紹介写真はヴェールを被って水晶をなでている人から、やたらにらみつけてくる写真、さらにはお見合い写真のような明らかに普通の人の写真もある。ほほう、あやしい。そのときくらいから少しあやしい匂いを感じていたが、その分、興味はどんどん持っていかれた。やっちゃいけない、と言うことに限ってどうしてもやりたくなるのが人間の心理だ。

 “お客様の声”のページには「おかげで復縁できました!」「占い師さんの言うとおりでした。次の日に連絡がとれました!」など、魅力的な言葉がズラリ…。

大丈夫、1回だけ…。

 初回は30分以上占えば1980円引きになるというので、思い切って私はやってみることにした。今思うと、このリーズナブルな感じもすばらしい。こちらの“どうしようかな”という背中を押す金額に設定されているのだ。まさに“いいね!”のボタンがあったら10回くらい押してやりたいくらいだ。

めっちゃ軽い占い師が「どうも~!」



 それにしても、このあやしい電話占いをやると決めたこの瞬間は、10代の頃からあやしいと思うことはやるなという両親の教えを始めて破ったメモリアルな瞬間。今までタバコも宗教の誘いも全部断ってきた私が、ついにここであやしいものに手を出したのだ。そんな尋常じゃない状態に覚えた興奮のもと、サイトになんのためらいもなく電話番号とクレジットカードの番号を登録した。それから10分間、占い師からかかってくるはずのケータイを待つ瞬間は、今までにないぐらい緊張した。なぜか手まで震えていた。

ブルッツ!

 バイブモードのケータイが震えた瞬間、手に取ると見たことのない番号が点灯し、数秒悩んだが、すでに最初の20分の金額をクレジット決済されてしまっているため、出ることにした。

 ちなみに私が選んだのは、30代で占い暦20年という大物感漂う占い師だ。この経験からみると一体何歳から占っていたのだろう。彼のビジュアルは、山手線に毎日乗っていてもなんら違和感のないサラリーマン風。サラリーマンなら営業だろう。名前は“呉龍”としておこう。

呉龍「こんにちは~、呉龍です~! どうも~」

 うわ、めっちゃ軽い!

 あまりにも軽すぎる…。こんな人に私の抱え込んだ悩みを話すのか…。

 とはいえ、もうすでにお金を払っているので切ることもできず、「実は旦那が浮気をしたらしく…」と話してみると、「ちょっと視てみましょうね~」と電話の奥でタロットカードを切りだしたのだ。その音は「サッサッサッサ」ととても俊敏。そのさらに奥からはなぜか救急車の音も聞こえてくる。……シュールだ。実にシュールだ。深夜に暗い部屋でひざを抱えて電話している奥で、俊敏に繰り返されるサッササッサ……。

電話占い⇒【後編】「そして占いで出たオドロキの結果は…」に続く http://joshi-spa.jp/175765

<TEXT/吉田可奈 ILLUSTRATION/ワタナベチヒロ>

⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】

【吉田可奈 プロフィール】
80年生まれ。CDショップのバイヤーを経て、音楽ライターを目指し出版社に入社。その後独立しフリーライターへ。現在は西野カナなどのオフィシャルライターを務め、音楽雑誌やファッション雑誌、育児雑誌や健康雑誌などの執筆を手がける。23歳で結婚し娘と息子を授かるも、29歳で離婚。座右の銘はネットで見かけた名言“死ぬこと以外、かすり傷”。Twitter(@singlemother_ky

※このエッセイの次回更新は12月31日を予定しています。

吉田可奈
80年生まれ。CDショップのバイヤーを経て、音楽ライターを目指し出版社に入社。その後独立しフリーライターへ。現在は西野カナなどのオフィシャルライターを務め、音楽雑誌やファッション雑誌、育児雑誌や健康雑誌などの執筆を手がける。23歳で結婚し娘と息子を授かるも、29歳で離婚。座右の銘はネットで見かけた名言“死ぬこと以外、かすり傷”。Twitter(@knysd1980
シングルマザー、家を買う

年収200万円、バツイチ、子供に発達障がい……でも、マイホームは買える!

シングルマザーが「かわいそう」って、誰が決めた? 逆境にいるすべての人に読んでもらいたい、笑って泣けて、元気になる自伝的エッセイ。




あなたにおすすめ