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「家族を養えない」。格安航空会社は給料も格安だった

低賃金・長時間労働・パワハラや暴力……。すっかり日本社会で名称が定着した「ブラック企業」だが、いまや中小だけでなく大手企業も「ブラック化」する傾向にあるらしい。労働者が告発する、内部事情とは?

低運賃で人気のLCC 社員も薄給重労働!?



【国内格安航空会社】
<年収:360万円(30歳)/勤続年数:2年/部署名:旅客部/総社員数:約450人>


「航空業界って待遇がいいイメージがありますがそれは大昔の話。子供のころから航空会社で働きたいとの夢があったので収入が低いのも覚悟の上でした」

 「家族を養えない」格安航空会社は給料も格安だったそう話すのは格安航空会社(LCC)社員の中田直孝さん(仮名・30歳)。

 2年前に念願を叶え、旅行会社から転職。徹底したコストカットで低運賃でのフライトを実現させるLCCでは、CAが機内清掃や地上係員をこなすなど複数の業務を行うのが当たり前。

 中田さんもカウンター業務や旅客の誘導、デスクワークをこなす。

「個人的には前職の旅行会社のほうがよっぽどブラックでした。それに今は好きな仕事をしているのでツラくはありません。

 ただし、仕事量はキャリアフラッグ(※JALやANAなどLCCではない既存の航空会社)に比べるとずっと多い。仕事として割り切って考えるには少々キツいですね」

 今のところ、LCCに対して世間は好意的だ。しかし、航空業界では「LCCはブラック企業」認定されている。

「キャリアフラッグで働く友人からは、『そんだけ働いて収入360万円じゃ転職したほうがいい』って本気で心配されます(苦笑)。確かに、今の収入では将来結婚しても家族を養っていくには厳しいと思います。妻子持ちの同僚は、『共働きじゃないと生活できない』と言ってます」

 中田さん自身も好きで入った会社とはいえ、このままずっと会社に残ることは考えていない。

「LCCとはいえ航空会社。このキャリアを生かした転職は入社当時から考えています。そういう社員が主ですよ」

 これが本当ならLCCも近い将来、離職率の高い企業の仲間入りを果たす日が訪れそうだ。

<PHOTO/ Denis Raev>

― [ブラック化する日本企業]の闇【3】 ―




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