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昇給も休みもゼロ。どうあがいてもダメな斜陽業界の悲しさ

低賃金・長時間労働・パワハラや暴力……。すっかり日本社会で名前が定着した「ブラック企業」だが、いまや中小だけでなく大手企業も「ブラック化」する傾向にあるらしい。労働者が告発する、内部事情とは?

ほぼ週7日勤務……ブラック化が進む進学塾



【有名進学塾N社】
年収:500万円(39歳)/勤続年数:6年
部署名:営業部/総社員数:400人


進学塾「ここ数年、業績が悪く、会社のブラック企業化が急激に進んでる」と語るのは、大手進学塾に勤務する大山武さん(仮名・39歳)。小、中、高のお受験ブームや大学進学率の上昇から、塾のニーズは高そうだがなぜ業績が悪いのか?

「教育業界は少子化のせいで業界自体が縮小傾向です。ただでさえ全体のパイが減っているのに、ここ数年で1社の独り勝ちが続いている状態。今では会社全体に悲壮感が漂っていて、会議の内容は8割方『今後の経営をどうしよう』というネガティブなもの。多分、中に入って後悔している新入社員は多いでしょうね」

 そして気になる労働環境だが、なによりキツいのがやはり長時間労働だと大山さんは語る。

「基本、土日は休めず、休みを取るときは平日のどこかで1日程度。たとえ休みが取れても、1~2時間ほどは出社して仕事をしなければならず、実質はほぼ週7日勤務。勤務中も生徒や保護者から電話や来校があるので、休憩すら取れない。食事は5分で済まし、後は間食。帰宅は毎日0時でそこからガッツリ食べるので、社員はみんな太り気味です」

 しかし、それだけのハードワークでも給料は当然安いまま。

「会社の業績が悪く、給料が上がる見込みはゼロです。月25時間の”みなし残業”以上に働いても、残業代は毎月たかが数万円。ボーナスも雀の涙程度。さらにムダに無能なオヤジが主要ポストを占めていて、若手が出世する余地がない。若手は『オヤジたち死なないかな?』と本気で思ってますよ」

 不穏な職場だが、「この景気で転職できるわけがない」と言う大山さん。抜け出せる日は来るのか。

 教育産業だけではなく、日本の人口が減っていくなかで、パイ自体が小さくなるしかない業界はある。そのシワ寄せがブラック化なのか……。

― [ブラック化する日本企業]の闇【6】 ―

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