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旅行会社でツアーを企画…憧れの仕事はノルマ責めだった

低賃金・長時間労働・パワハラや暴力……。すっかり日本社会で名前が定着した「ブラック企業」だが、いまや中小だけでなく大手企業も「ブラック化」する傾向にあるらしい。労働者が告発する、内部事情とは?

店舗から総務に異動したら天国だった



【大手旅行代理店】
年収:370万円(31歳)/勤続年数:9年
部署名:総務部/総社員数:約3000人


 たとえ同じ会社でも労働環境は部署で大きく変わってくる。大手旅行代理店に勤務する熊谷修さん(仮名・31歳)は接客業務を行う店舗に6年、ツアープランを決める旅行企画部に2年在籍の後、昨年総務部に異動。「別の会社かと思うほど仕事が楽になった」と語る。

「労務管理を行う部署なので就業時間の順守が徹底され、残業はなし。店舗時代は毎日平均2時間の残業、旅行企画部にいたときも自宅に仕事を持ち帰り、深夜まで社内プレゼン用のツアー案作りに追われていましたから」

旅行会社 旅行会社でツアーを企画するなんて、学生や女性がもっとも憧れる仕事のひとつ。けれども、仕事となれば、ユニークなツアーではなく「客が集まるツアー」を考えなければならない。また、旅行業界の給料の安さはよく知られるところ。

 実際、仕事はノルマやストレスとの闘いだったという。

「旅行代理店って目標やノルマって言葉が大好きなんですよね。店舗では社員個人の売上額のグラフを壁に貼っていたりして、成績が悪いと上司から叱責を受けるんです。旅行企画部でも『3か月で10本』とか目標が設定され、その分、業績はよかったけど、キツかった。

 その点、今いる総務部にはノルマや目標もなくストレスやプレッシャーもありません」

 時間に余裕が生まれ、会社帰りにスポーツジムで汗を流し、英会話スクールでスキルアップを図る熊谷さん。ただし、サラリーマンである以上、新たな辞令が下り、現在の部署を離れる可能性もある。

「正直それが一番怖い。今の環境に慣れてしまったので仮に出世しても店舗での勤務は絶対避けたい」

 まさにブラックインホワイト。

 同じ会社でも、部署によって「ブラック職場」と「ホワイト職場」があったりする。ブラックに嫌気がさして辞めてしまう前に、ホワイト部署への異動を画策するのはひとつのテかもしれない。

― [ブラック化する日本企業]の闇【9】 ―




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