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子どものため? 自分のため? シングルマザーが再婚に揺れるとき

 離婚に至る夫婦の割合いは3組に1組ともいわれるほど。その中には子連れで再出発をする女性も多く、離婚で受けた心の傷を抱えながらも子どものために奮闘する日々を送っています。

 そんな彼女達が再婚を考えるとき、どんな心境の変化があるのでしょうか?

DVから男性不信に……愛娘の切なる願い



子どものため? 自分のため? シングルマザーが再婚に揺れるとき 元夫からのDVが原因で離婚したサユリさん(仮名/30歳)は、小学校と保育園に通う2児を育てるシングルマザー。

 離婚直後は男性不信に陥り「男なんて二度とゴメンだ」と思っていたようですが、シングルマザーになって4年目の今、再婚を考え始めているそうです。

「きっかけは保育園に通う娘なんです。物心つかないころに離婚しているので父親不在が当たり前だったんですが、保育園でお友達の家庭を目にするようになって『どうして家にはパパがいないの?』って。仲良くしてくれるご家庭のお父さんと触れあったり、お友達が父親と遊んでいる姿を見たりするうちに『パパが欲しい』って毎晩号泣するようになりました」

 父母二人分の愛情を注ぎ、号泣する娘を抱きしめて優しく諭すことでなんとか娘の気持ちを落ち着かせていたサユリさんですが、“パパができますように”とつたない文字で書かれた七夕の短冊には胸が締め付けられたといいます。

「父親になるよ」信頼できる男性の存在



 離婚後は男性との交流を避けていたサユリさんですが、離婚の際に力になってくれたカズトシさん(仮名/33歳)にだけは心を許していたそうです。

「じつは、元夫の上司なんです。倫理観の強い方で、DVを知ってからはよく仲裁に入ってくれていました。離婚後も『子ども達が少しでも悲しい思いをしないように』とイベントに誘ってくれたり、プレゼントを贈ってくれたり。4年経った今でも変わらず気にかけてくれていて、私にとって唯一安心できる男性です」

 サユリさんがDVや離婚といったつらい経験を強いられたのは上司である自分の力不足もあると感じたカズトシさんは、幼くして父親を失った子ども達のために、間接的に“父親代わり”をするのがせめてもの償いだと言っていたそうです。

 そんなカズトシさんに、娘の話を打ち明けたサユリさん。すると、思いもよらない返事が返ってきたといいます。

「僕でよければいつだって父親になるよ。でも、再婚は子ども達のためにするものじゃない。サユリちゃんも子ども達も、みんなが幸せになれる相手ではじめて成り立つもの。母親だけでも幸せな家庭はたくさんある。サユリちゃんが僕を含めた4人家族がいちばん幸せな形だと思えるときがきたら、一緒になろう」

 その後も以前と変わらない付き合い方をしているそうですが、子ども達の様子や自分の気持ちなど、客観的な視点を意識するようになったそう。

「今はまだ、男性と暮らすことへの抵抗は拭いきれません。でも、カズトシさんとなら恐怖や支配のない穏やかな家庭が築けるんじゃないか? と、少しずつですがひとりの男性としてみる意識が芽生えてきました。それでも、子ども達とカズトシさんの親子としての相性はどうか、私達の生活に彼の人生を巻き込んでいいのかなど、あと一歩を踏み込めない思いがあるのも事実です」

 娘の願いを叶えて新しい幸せの形を創り上げるか、このままひとりで立派に育て上げるか……。

 揺れ動く気持ちに決心を着けるにはまだまだ時間を要しそうですが、カズトシさんの言葉が心の支えになっていることは間違いないようです。

<TEXT/千葉こころ PHOTO/Mariadubova>

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