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ネット選挙で誰が得するのか?影のキーマンに聞く

高橋茂さん

高橋茂さん

 2013年7月の参議院選挙から解禁される「ネット選挙」。といっても、もちろんネットで投票できるわけではなく、煎じ詰めれば、選挙期間中(公示日~投票日)にHPの更新・SNSへの投稿・メルマガ配信等ができるようになる「ネット選挙運動の解禁」です。

 それだけのことなのに騒ぎすぎじゃないの?誰にとって得になるの?という疑問を、「VoiceJapan」代表取締役の高橋茂さんに取材してみました。高橋さんは10年前からネット選挙解禁に向けて活動してきた“影のキーマン”。日本最大の選挙ポータル「ザ選挙(http://go2senkyo.com/)」の運営や、議員にネット活用のコンサルティングを行っています。

ネット選挙解禁は女性に有利



 まず、ネット選挙解禁が活きてくるのは、いま騒がれている参院選よりも、その後の地方選挙だ――と高橋さんは言います。

ネット選挙解禁に関するトークショー

4月に行われたネット選挙解禁に関するトークショー(ロフトプラスワン)。左から高橋さん、鈴木寛議員(民主)、河野太郎議員(自民)、佐々木憲昭議員(共産)、富山よしのぶさん(日本維新の会)

「僕がコンサルティングしている議員は約200人ですが、そのうち国会議員は10人で、ほとんどは地方議員です。国会議員はほぼ100%がHPを持っていますが、約3万6000人いる地方議員は3割ほどしかHPを持っていません。今、地方選挙って候補者の政策や活動をほとんど知らずに投票してますよね? 自分の住む地域の議員で、誰が頑張ってて、誰がサボってるか知らないですよね? ネット選挙解禁で、今後は選挙管理委員会が候補者一覧を掲載し、そこにHPのリンクを張る可能性があります。そうすると有権者はネットで情報を集めやすくなるし、候補者はHPをつくって情報発信を始めるでしょう。小学校の卒業式で挨拶してるだけ、みたいな議員は、仕事してないことがバレるようになるんです」

 また、高橋さんは「ネット選挙解禁は、女性に有利」だと言います。

「僕がコンサルしている議員200人のうち、9割以上が女性です。女性議員が書く活動報告などは、とても話がリアルなんです。育児、教育、医療、パートタイム労働の問題などを“自分のこと”として語れて、“井戸端会議メディア”であるネットやSNSに適している。一方で男性議員は、どこかで聞きかじったような話が多くて説得力がないんですよ」

 女性の有権者から見ても、保育園の待機児童がどうとか子供の医療費がどうとかいう、生活に直結する政策は、新聞やテレビではイマイチわかりません。しかもそういった政策は地方議会で決まることが多い。地方選挙でネットが活用されれば、身近な政策を見て投票しやすくなりそうです。

⇒【後編】ネット選挙で喜ぶのはIT業者とネトウヨ? http://joshi-spa.jp/19716

【高橋茂さんプロフィール】
1960年生まれ。エンジニアだった2000年、偶然長野県知事選に関わり、政治の世界に。2002年、政治家がネットで情報発信するツール「ネット参謀」を開発し、ネット選挙解禁に向けて活動する。VoiceJapan代表、武蔵大学社会学部非常勤講師。

<TEXT/女子SPA!編集部 PHOTO/海原修平>




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