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賛否両論の「同性カップル新条例案」に思う、ゲイの本音

 どうもこんにちは。ゲイライターの渋谷アシルです。

 先日、渋谷区が発表した同性カップルに関する新条例案が世間を賑わせています。同性カップルを「結婚に相当する関係」とみなし、その証明である「パートナーシップ証明書」を発行する、という条例案で、可決されれば4月1日より施行されるとのこと。また、世田谷区でも同様に、同性パートナーシップを保証する方策を検討しているとのニュースも流れました。

 これはすなわち、セクシャルマイノリティの人たちの権利を尊重するということで、全国でも前例がないもの。ネットでも賛否両論が巻き起こっています。

賛否両論の「同性カップル新条例案」に思う、ゲイの本音

ゲイ界隈であがる喜びの声……日本は一歩前進するのか



 この件については、ぼくの周りのゲイ友たちもさまざまな反応を示しています。

「すごく大きな一歩だと思う。これを機に、セクシャルマイノリティが生きやすくなればうれしい」(20代・販売)

「これで彼氏と同棲しやすくなる!……肝心の相手がいないけど」(30代・会社員)

 といったように、喜びの声が多く聞かれました。確かに、いまよりも同性カップルが賃貸契約を結びやすくなったり、パートナーが倒れてしまったときに面会しやすくなったりするのはありがたいこと。法的な効力はないものの、「条例の趣旨に反する事業者名を公表する」という規定が盛り込まれる予定というのも、マイノリティの人たちの権利を守るうえで一役買いそうです。

 同性カップルが同棲するときには、自分たちの関係性を「遠い親戚」や「友人」とごまかさなければいけないケースがほとんど。それでも借りられない場合も少なくありません。その結果、シングルで契約した物件に、借り主に無断で二人一緒に住み始めるということも。今回の条例案が可決されれば、そういったことで悩む同性カップルも減るかもしれません。

「今回の件は、マイノリティがパートナーについて真剣に考えるきっかけになると思う」(30代・会社員)

 なんて声も。そう、マイノリティ、特にゲイに多いのが、「どうせ結婚できるわけでもないし」と、お手軽な恋愛を繰り返す人たち。短期間で別れる、セックスだけの関係、同時に複数人と付き合う……。そういったインスタントな恋愛に慣れてしまっているんです。

 でも、今回の条例案が可決され、同性カップルも「結婚に相当する関係」として扱われるようになれば、真剣に「生涯の伴侶」を探そうとするのではないかと思います。

ストレートの人たちの間に、いまだ根付いている偏見



 その一方で、ストレートの人たちはどう思っているのか。「YAHOO!ニュース」の意識調査(2月18日時点)によると、この条例案を歓迎する人が55.7%、歓迎しない人は44.3%と、ほぼ半数という結果に。さらに、その回答者は、7割近くが男性。やはり、同性愛者というとどうしてもゲイをイメージしがち。となると、男性の方が過敏に反応を示すのも頷けます。

 ぼく個人としては、歓迎派がもっと多いと思っていたので少し驚いたのですが、Twitterなどでも「正直、気持ち悪い」「同性同士を認めたら、国の存続に関わる」などの声があがっていました(これらの発言をされていたのも、やはり男性です)。

 オネエタレントの方々の活躍に代表されるように、いまの日本では同性愛者が日陰者ではなくなりつつあります。けれど、それはテレビのなかでの話。自分たちが遊んだり、住んだりする場所としての渋谷に、そういったマイノリティのリアルな影がちらつくことに嫌悪感を抱く人は、まだまだ存在するんですね。

 この条例案が現実のものとなったときに、マイノリティの人たちへの偏見はなくなるのでしょうか。答えはNOだと思います。

 確かに、それ相応の権利が認められれば、いまよりも暮らしやすい環境になるでしょう。けれど、それと偏見がなくなるかは別問題。ともすれば、いま以上に、同性カップルが嫌な思いをする危険性も孕んでいるのではないでしょうか。

 条例を整えるのは素晴らしいことですが、それ以上に、いまだ根付いている「マイノリティへの偏見」をなくすためにどうするのか、それを考えることが重要なのだと思います。

 と、なんだかいつになく真面目なテンションの記事になってしまいましたが、ぼくが伝えたいのはひとつだけ。

「愛する人と、普通の暮らしがしたい」(30代・フリーランス)

 これに尽きるんです。楽しく同棲したい、倒れてしまったときに真っ先に駆けつけたい。異性間であれば簡単にできるそんなことが、マイノリティの人たちにとっては非常に困難。そんな現実を、ほんの少し変えてもらう。そう願うのは、そんなに悪いことなのでしょうか――。

<TEXT/渋谷アシル>

【渋谷アシル プロフィール】
昼間は会社員の仮面をかぶった、謎のゲイライター。これまでお付き合いしてきたオトコをネタに原稿を執筆する、陰険な性格がチャームポイント。オトコに振り回される世の女性のために、ひとり勝手にPCに向かう毎日。

渋谷アシル
昼間は会社員の仮面をかぶった、謎のゲイライター。これまでお付き合いしてきたオトコをネタに原稿を執筆する、陰険な性格がチャームポイント。オトコに振り回される世の女性のために、ひとり勝手にPCに向かう毎日。




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