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なぜ男は平気でバレるウソをつくのか?

「男はウソをつくのが下手だ」  昔からそんなことが言われていますね。「男のウソを見破れるのは、女のカンが良いからだ」と言われることもありますが、現実的に女性のほうがウソを探知する能力に優れている人が多いからという側面もあると思うのです。  というのも、一般的に男性より女性のほうが「会話と状況を記憶する能力」に優れている人が多い。会話の細かいところや、その時々のシーンやシチュエーション、誰に対して何を話したなどを記憶することは女性のほうが得意である場合が多いのです。  だからウソを探知しやすい。過去の細かな会話やシチュエーションデータを記憶している女性は、男性が発する過去とはちょっと違う発言に対して、たとえ明確にウソだと気が付かなくても、「何となく違和感」を覚え、「これは何となくウソっぽい……」と感じることができるのです。  たとえば、見栄を張る部分にもウソがバレる要素がたくさんあります。彼らは事実にゲタを履かせようとするのですが、同じ話をしても毎回そのゲタの種類やサイズを微妙に変えてしまう。前回は5cmのゲタを履かせたと思ったら、今回は6cmだったなんてことになれば、当然聞き手には分かってしまいますよね。でも、話されたほうは6cmのゲタを履かせた状態で記憶しているわけですが、話したほうは他にも同じ話をたくさんしているわけですから、誰を相手に6cmのゲタを履かせたかなんて覚えていない。だからすぐボロが出てしまうのです。  アリバイも同じです。論理的整合性を重視しようとアリバイ工作をするわけですが、できあがったアリバイを事実と入れ替えるくらいに記憶しているわけではない。だからこそそのアリバイのメッキがたまに剥がれることがあって、女性側から見れば「あれ? メッキ剥がれているんですけど……」ということになるのです。  このように女性が男性のウソがすぐ分かるのは、大人が子供のウソがすぐ分かってしまうのと同じ。本人は一生懸命ウソをついたつもりでも、聞く側からすれば明らかに「いやいやウソだよね」と分かってしまうものなのです。  また、男女不平等意識が男性の嘘の下手さを悪化させます。というのも、まだまだ日本は男尊女卑の概念が無意識の奥深くにしみついているがゆえに、男性は「男のほうが論理的で女性より能力が上」などのような固定観念を持っていることや、男のプライドを守るために自分より下の相手を交際相手として選んでいることが多いため、状況記憶という面で自分のほうが劣っているなんて夢にも思わないのです。そうやって女性をナメてかかっているから平気でウソをつくし、簡単にウソがバレる。滑稽ですね。  今回はあくまで女性に状況記憶が良い人が多いという前提でお話してきましたが、もちろん男性にも記憶力が良い人はいます。たまたま私も脳がちょっとだけ女性寄りなのか分かりませんが、会話の中身や状況を記憶するのが得意なほうで、だからこそ女性の会話でも「あれ? この人、前と言っていることが微妙に違うんだけど……」と感じることがこれまで本当に多くありました。ですので、男女関係無く、ウソはバレるものだという前提で、ウソが減って行けば良いなと思います。  むしろ、ウソをつくという手段を取る前に、まずはウソをつかざるを得ないような悪事をお互い減らすことが大事。さらに、正当化しないと許してもらえないような不自由な人間関係や束縛、相手に対する必要以上の期待を減らし、そもそもウソなんてつく必要の無い気楽な人間関係にして行くことが大事だと思うのです。
勝部元気氏

クイズゲーム「黒猫のウィズ」の特設カフェに行ってきました!(勝部)

⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】 【勝部元気氏】 コラムニスト。ジェンダー論、現代社会論、コミュニケーションを切り口にした男女関係論が専門。男性でありながら子宮頸がんワクチンを接種。『勝部元気のラブフェミ論』(http://ameblo.jp/ktb-genki/
勝部元気
1983年東京都生まれ。早稲田大学社会科学部卒。コラムニスト・社会起業家。専門はジェンダー論、現代社会論、コミュニケーション論、教育論等。他にも幅広い知識習得に努めており、所持資格数は66個にのぼる(2015年6月現在)。雑誌・TV・web等でコメンテーター活動をしている他、働く女性の健康管理を支援するコンサルティング会社(株式会社リプロエージェント)の代表取締役CEOを務めるなど、各種ソーシャルビジネスに携わっている。ブログは、男性なのに子宮頸がん予防ワクチンを打ったレポートが話題となった。twitterは@KTB_genki 。初の著書『恋愛氷河期』(小社刊)は発売中
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恋愛氷河期

著者は、ナンパ禁止論や反・不倫論で話題を呼んでいるコラムニスト。男性から、かつ若手からの立場で、女性に厳しい社会に真っ向からダメ出しをする。

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