Job&Money

妻のリストラで家計破綻…リッチ家族の誤算

30~40代にもなると、男性も女性も、将来不安がむくむくと頭をもたげてくる。特に心配なのは、やっぱりお金のこと。周りの人はちゃんと貯金をしているのだろうか? 「平均値」からは見えてこないリアルなケースを集めて、ファイナンシャルプランナーに診断してもらった。

娘2人を私立小に入れるも妻はリストラ寸前



貯金 国家公務員の特権で港区内のマンションに住み、子供2人は名門私立通い、あげくに妻は高収入の外資系OL。国家公務員の時枝慶一朗さん(仮名・39歳)一家は、「ザッツ、理想の家族」みたいな完璧ぶりが鼻につく。

 が、「ウチの家計は日本経済より深刻」だと告白。

娘2人の教育費だけで、年間200万はゆうに突破します。なのに、妻がリストラの危機。都心なのに家賃3万円と破格に安い社宅まで追い出されそうなんです」

 妻の勤務先のメーカーは、最近業績悪化が深刻だ。そのうえ、妻は立てつづけに、延べ4年にわたる育休を取得しているため、「出世の見込みはゼロ。それどころか、通称“リストラ部屋”といわれる、家から2時間以上はかかる田舎の開発所に追い込まれそうなんです」

リストラ かといって、娘の学校には学童保育などあるわけもなく、ベビーシッターを雇うとなると、「時給3000円は覚悟しないといけない」。だからといって、異動を断れば、退社を迫られるだけだ。さらに、時枝一家は社宅に10年も居座っているために、「そろそろ出ていけと、ほぼ毎日圧力をかけられている」と言う。

 このケースについて、ファイナンシャルプランナーの花輪陽子氏は、「仮に奥さまの年収700万円がゼロになり、今と同等のマンションを借りるとなると、月20万円はかかる。合算で年間合計900万円程度の負担増。そうなれば、破綻の危機ですね」と断言。

 花輪氏によると、子供2人を小学校から私立に入れるのは、「学費月20万円を余裕で支払える、年収1200万円以上が安定して確保できる収入の人や資産家に限られる」そうだ。時枝夫婦は、今でこそこの条件はクリアしているが、「女性の雇用は結局不安定ですからね」(花輪氏)。

妻は転職すると年収が半分以下に



 それでも夫婦には2500万円もの預金がある。自宅をノーローンの即金で買うのが目的だが、花輪氏はこれにも待ったをかける。

「貯金は奥さんがリストラされ、社宅を追い出されたときの赤字補填分にとっておき、定年まで賃貸に住み、老後に老後仕様の家を買うのがベスト。こうすれば、そんなに大きな家を買わずに済むし、子供部屋もつくる必要がないので、無駄なリフォーム代も浮きます」

 ちなみに、年齢からいって奥さんの再就職は厳しく、転職できたとしても年収300万円前後に落ちるのは必至。だから、花輪氏は「労組に駆け込んででも、粘ったほうがいい」と念を押す。

 金遣いもごく質素で、資産も潤沢。そんな家庭も意外や意外、「教育費破産」することだって十分にあり得るのだ。

<教訓>一度得た妻の正社員の座は貴重。粘れるだけ粘ったほうがいい

<ILLUSTRATION/Olga Mendenhall >
― なぜか貯まらない人のお悩み白書【5】 ―




あなたにおすすめ