女性に超絶ヒットの刀剣=イケメンゲーム『刀剣乱舞』。ドハマりする理由とは
とうとう『刀剣乱舞』に新しい設定が実装されました。和泉守兼定が太刀から打刀に変更となってしまったのです。
……え、それがどうしたのかって? いやいや、大変なことなのですよこれは。
『刀剣乱舞』通称「とうらぶ」とは、女性のあいだで大ブレイク中のオンラインゲーム(2015年1月にサービス開始、4ケ月で登録者数100万人を突破したとのこと)。
刀剣のカタログが発売されればAmazon売り上げナンバー1になり、全国の刀剣保持博物館は急遽公開を決め、ゲームのサーバーはオープンするやいなや希望者がこぞって登録して即いっぱい。
そんなゲームに登場する刀剣のいくつかが、太刀から打刀へと変更されたのです。困惑しているファンは大勢いるはずです。といってもピンときませんか、では『刀剣乱舞』がどんなゲームなのか、そしてその魅力についてお話しさせていただきましょう。
『刀剣乱舞』は、イケメンに擬人化された刀剣を何本もかき集め、育てていくブラウザゲームです。イケメン化した刀剣のことを「刀剣男子」と言います。
プレイヤーは「審神者(さにわ)」と呼ばれますが、審神者はゲームには登場しません。手元の刀剣でパーティを組ませて戦場へ送り出し、戦わせてレベルアップをさせます。
刀剣は、素材を混ぜて鍛刀し新しい刀剣を作り出したり、戦場で拾ったりすることで所持数を増やすことができます。現在、収集可能な刀剣男子は46名。レアな刀剣男子は鍛刀でしか入手できなかったりするので、審神者たちは日々がんばって素材を貯めては鍛刀を繰り返します。
そんなゲームに、どうしてこんなにたくさんの女子がハマるのでしょうか。お友達の審神者からも意見を聞かせてもらったりして、ちょっと考察してみました。
ゲームとしては非常に簡単で、クリックするだけで遊ぶことができます。やることといえば基本的に、鍛刀して新しい刀剣を作り出す、刀装(騎兵や歩兵など)を作り刀剣に装備させる(なぜ刀剣に兵を装備できるのかしらん?)、刀剣を戦場に送り出しレベルアップさせる、を繰り返すだけ。
戦場に行っても瞬発力とか戦略とかまったく必要ありません。ただぽちぽちとボタンを押すだけ。絵描きさんたちはペンタブで遊ぶそうです。ボタンを押すだけなので、ペンの方が楽なんだとか。
設定としてのストーリーはあるけど、ゲーム内でお話が進んだり、謎解きをしたりしません。刀剣男子たちには声優さんが声をつけてますが、各キャラのセリフの数は10に満たないくらい。ということは、非常にセリフが覚えやすい!
「首落ちて死ね!」なんていう過激なことから、「修理してくれるってことは、まだ……愛されてんかな……」なんてかわいらしいことまで、同じセリフを何度も何度も繰り返し発します。遊んでいるといやでも覚えます。
それを審神者同士で言い合ったりネタに使ったりするのがまた楽しいのです。例えば『刀剣乱舞』にハマることを「柄まで通す」と言ったりしますが、これももとは薬研藤四郎のセリフです。
⇒【後編】「『刀剣乱舞』で妄想をふくらませる女性たち」に続く http://joshi-spa.jp/315263
<TEXT/和久井香菜子>
⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
【和久井香菜子(わくい・かなこ)】
ライター・イラストレーター、少女漫画コンシェルジュ。『少女マンガで読み解く 乙女心のツボ』(カンゼン)が好評発売中。ネットゲーム『養殖中華屋さん』の企画をはじめ、語学テキストやテニス雑誌、ビジネス本まで幅広いジャンルで書き散らす。街で見かけたおかしな英文から英語を学ぶ「Henglish」主宰。
イケメンに擬人化された刀剣を育てる
魅力その1:とにかく簡単
魅力その2:セリフが覚えやすい

和久井香菜子
ライター・編集、少女マンガ研究家。『少女マンガで読み解く 乙女心のツボ』(カンゼン)が好評発売中。英語テキストやテニス雑誌、ビジネス本まで幅広いジャンルで書き散らす。視覚障害者によるテープ起こし事業「合同会社ブラインドライターズ」代表