献身的な女子はダメ男を引き寄せる【シングルマザー、家を買う/30章・後編】

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息子の前に舞い降りた天使



 その笑顔は、もうじきアラフォーに足を踏み入れようとしている私のハートさえもドキュンと射抜く。なんて可愛いんだろう! 天使か! 天使なのか!?

シングルマザー、家を買う/30章・後編 もちろん、息子も、みいちゃんのことが大好きで、毎朝駆け寄ってくれるその子に対し興奮を抑えられず、ピョンピョンと飛び跳ね、「わぁー!!!」と大声を出すのだ。

 そんな朝の儀式を終えると、息子はその子の手を取り、靴箱の前にその子を誘うのだ。言葉を持たない息子は、そこでニコニコと自分の靴箱を指さし、その後、自分の足元を指さす。

 え? 履かせてくれって言ってんの!?

 すると、みいちゃんは「はいはい、うわばきですねぇ~。じゃ、ちゃんとすわってね~」と声をかけてくれるではないか。

 息子はその声に嬉しそうに反応し、靴箱の前にちょこんと座ると、その子の前に足を伸ばしたのだ。

 わー……ダメ男だ……。

 すると、女の子は嬉しそうに、片足ずつ、丁寧に履かせてくれる。しかも、こう言ったのだ。

「もう、息子くんは、みいちゃんがいないとだめですねぇ」

 あー、この子もダメ女だ……。

献身的な女子はダメ男を引き寄せる



 そう。この献身的な心の女子は、その後、尽くすタイプ、そしてただの家政婦のように扱われるタイプになってしまうに違いない……。そして、そこにほのかに幸せさえ感じてしまうのだ。だからこそ、ダメ男が芋づる式に寄ってくる。ちゃんと自立した男と付き合いたいと思っていても、そのループからは抜け出せなくなるのだ。

 そう、私のように!!!!!!

 完全にダメ男好きと自覚した私にはわかる、わかるよ! この子の行く先が! それを一瞬にして察知した私は、その子のママの腕を強めに掴んで忠告した。

「ねぇ、こんなに面倒見がよくて、かわいかったらダメ男に引っかかっちゃうよ! ダメだよ、絶対!」

 すると、隣にいたその子のママも半分ため息を漏らしたままこう答えたのだ。

「まぁ、それはDNAだよね……」

 そうか。DNAか……。そのママも、どうやらダメ男にたくさん引っかかった経験があるらしい。

 世の中のダメ男にハマってしまう女性諸君、どうやらダメ女の素質はDNAに組み込まれているので、もう仕方のないことなのかもしれない。そんなことを思い、二人で涙目になったのだった。

 あれから数カ月。たまに会うと、やはりその女の子は息子の上履きをせっせと履かせてくれる。そして、それをニコニコと嬉しそうに待っている息子がいる。息子よ、障がいがあろうとなかろうと、その天性の力は伸ばしていくんだぞ。

<TEXT/吉田可奈 ILLUSTRATION/ワタナベチヒロ>

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【吉田可奈 プロフィール】
80年生まれ。CDショップのバイヤーを経て、音楽ライターを目指し出版社に入社。その後独立しフリーライターへ。現在は西野カナなどのオフィシャルライターを務め、音楽雑誌やファッション雑誌、育児雑誌や健康雑誌などの執筆を手がける。23歳で結婚し娘と息子を授かるも、29歳で離婚。座右の銘はネットで見かけた名言“死ぬこと以外、かすり傷”。Twitter(@singlemother_ky

※このエッセイは隔週水曜日に配信予定です。

シングルマザー、家を買う

年収200万円、バツイチ、子供に発達障がい……でも、マイホームは買える!

シングルマザーが「かわいそう」って、誰が決めた? 逆境にいるすべての人に読んでもらいたい、笑って泣けて、元気になる自伝的エッセイ。




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