女度を底上げするために、もりおやま＝森美樹と尾山奈央が、さまざまなことにチャレンジする「おんな道」。 　まずは、フェイシャルセラピスト・かづきれいこさんが考案した「かづきマッサージ＆デザインテープ講座」に自腹で行ってみました。前回の血流マッサージ編に続き、今回はデザインテープにチャレンジ。素肌力アップと”ほうれい線”解消の夢は成し遂げられるか？ 　女の子はみんな魔女に憧れます。 　やがて女の子は気づくのです。大人になれば魔女になれるということに。 「さあ、デザインテープの講義ですよ」 　女を根本的に鍛えなおすべく、森と尾山が参加したのは素肌力アップレッスン。 　魔女の大先輩である講師が取り出したのが、　バンドエイドと見紛う普通のテープ。森も尾山も意気消沈。もっとこう、キラキラした魔女っ子アイテムかと思ったよ。 　しかしこのテープ、はがしてみると、すこぶる薄い。消え入りそうなくらい薄いのです。 「これは医療用テープにさらに独自の改良を加えた、かづきれいこオリジナルのデザインテープなのです」と講師。負担なく皮膚を引っぱりあげるというスグレモノ。 　使い方は、いたって簡単。 1.貼る部分の水分と油分をよく拭き取る。 2.位置にそって、はく離紙をゆっくりはがし、湿らせたスポンジで軽く叩き密着させる。 　これだけです。大事なのは、貼る位置だけ。 　耳のうしろに１枚、耳の前に１枚。こめかみから額へ1枚。合計3枚です。 「では、さっそく貼ってみましょう」 　講師の言う通り、手首に貼ってみました。 「確かに、貼ったよね？」 　顔を見合わせる森と尾山。 「き、消えたよ？」 　指で顔を撫でるも、感触すらなくなっているのです。 　ゆえに、メイクも難なくできます。ファンデーションもよれずにぬれるし、アイシャドーもチークもお手のもの。素肌とほぼ変わらないのです。 　テープのはがし方も、これまた簡単。 1.テープを貼った部分に美容オイルをぬる。 2.綿棒で円を描くようにやさしく撫で、テープの先端が浮いてきたらゆっくりはがす。 「簡単だねー」 　講師がやってみせるのを、キャッキャと眺めて拍手する森と尾山。 　さっさと自分達もやれよ、って？ いやん、まだはがしたくないの。だって、普段と顔が全然違うんですもの！ 「あら、森さんったら。ディズニープリンセスのエルサみたいよ」って、真顔で講師が言うじゃありませんか。 　私のありのままの姿ってエルサかよ？ たまたま髪を片側にまとめてて、青いタオルを首に巻いていたからじゃないの？ 「でもマジで森さん顔が違う！」と尾山まで。お世辞言っても何も出ないぞ。と尾山を睨むも。 「え？ 尾山さんも顔が違うよ！」 　尾山がしきりに気にしていた、ほうれい線が、見事になくなっているのです。代わりに頬は艶やかバラ色、光が宿るような目は、「もしやあなたはアナでは？」くらいの、ピチピチさでありました。 　顔が変わらなくても、顔つきが変わるだけで確実に女度は上がり、テンションも上がり、もちろん張りもアップ。毎日のわずか数分で、シアワセ度もアップです。 「これは続ける価値あるよね」というわけで、今回のジャッジ。 ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ 講座料金：3132円（1名・税込） 女度向上指数：★★★☆☆（星3つ） ※内訳として、血流マッサージ★★★★★ デザインテープ★★☆☆☆ 「血流マッサージは手軽だし即効性がある。デザインテープは優秀なんだけど、テープをはがせば顔はもとどおり。勝負時にはいいけれど、普段使いは……」という、しょーもない理由により★3つとなりました。 ＜TEXT／森美樹　ILLUSTRATION／尾山奈央＞ ●もりおやま　http://morioyama.com/ ●森美樹：1970年生まれ。少女小説を7冊刊行したのち休筆。2013年、「朝凪」（改題「まばたきがスイッチ」）で第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』（新潮社）を上梓 https://twitter.com/morimikixxx ●尾山奈央：1980年生まれ。脚本家、エッセイスト。著書に『1年で20キロやせた私が見つけた月1断食ダイエット』（泰文堂） http://oyamanao.com/