Lifestyle

病気やお金の不安で子作りができない理不尽

1人の女性が産む子供の数は、この20年間、1.5人を下回ったままだ。不況、待機児童、犯罪、いじめ、虐待etc. 子育てをめぐる状況がますます悪化していくなか、「こんな世の中じゃ子育てなんて無理!」と産む前に逃げ出す男女のホンネとは……。
イメージ 植田智子さん(仮名・42歳・専業主婦)は、病気×金銭的不安×周囲のサポートがない、の三重苦にさいなまされている。

「子供を産めない第一の理由は、私が統合失調症だからです。主人は子供好きで、願望は強かったはず。今はあきらめたと言ってくれていますが、申し訳なくて……」

 現在は38歳の夫と二人暮らし。トラック運転手やバイク便など体力的にキツい仕事ゆえ、夫は転職が多く、家計はラクではない。現在、契約社員としての収入と智子さんの在宅ワークを合わせて、月収は22万~23万円ほどだ。

「私は基金訓練の学校に通わせてもらいましたが、子供がいたら無理だったと思います。万が一子供を産んでも、母はひとりで年金暮らしをしているので、面倒を見るのは難しい。子供を産んでも、虐待してしまうのではという不安があります。それに子供が大きくなったとき、世間に『あの子のお母さんは病気で』とか言われてしまうのも可哀想です」

 植田さんは、「子連れを見ると自分を“欠陥人間”だと思ってしまう」そうだ。

 1989年に出生率が過去最低の1.57を記録して「1.57ショック」と呼ばれ、以来、国は「少子化対策」と言い続けてきたが、状況は全然よくなっていない。日本はこのまま人口が減っていくしかないのだろうか……。

取材・文/朝井麻由美 池上正樹 小川絵里・中野一気・松村バウ(中野エディット) 宮川彩子(本誌) イラスト/3desc
― 「子供を作るのが怖い」大人たちの悲鳴【6】 ―

あなたにおすすめ