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甲斐性のない男には頼らない!父親がいなくても、貧乏でも、子どもは元気に育つ【シングルマザー対談 第1回】

【シングルマザー対談 第1回】  幼い子どもを二人抱えたシングルマザーが家を購入し、日々奮闘するさまを綴った『シングルマザー、家を買う』。女子SPA! で好評連載中のこのエッセイが、このたび書籍化されることに! そこで、漫画『おひとりさま出産』の著者・七尾ゆずさんによる、スペシャル「シングルマザー対談」を行いました。 ⇒【写真】はコチラ http://joshi-spa.jp/?attachment_id=358295
七尾ゆずさん(左)と吉田可奈さん

七尾ゆずさん(左)と吉田可奈さん

 旦那さんの浮気をきっかけに離婚しシングルマザーとなった吉田さんと、どうしても子どもが欲しくて、多額の借金をかかえたフリーライターの彼とのあいだに、自分が一人で産み育てることを条件に子どもをつくった七尾さん。成り行きは違えど、手に職を持つフリーランスのシングルマザーがたどり着いた、いまを生きる新しいシングルマザー像とは?

私生活を切り売りする弊害は?

――お二人の共通点としてあげられるのが、ご自身の体験をリアルに描いている、ということ。それが読者の共感を集めているポイントだと思うのですが、その一方で、私生活を赤裸々にすることによる弊害はないんですか? 七尾:わたしは、顔出しもしていないので、そこまで日常生活に支障はないですね。むしろ、顔出しされている吉田さんの方が大変なんじゃないですか? 吉田:確かに、シングルマザーとしての生活を切り売りすると、ネット上ではいろいろ批判もされるんです。ただ、わたしは深刻な状況を笑っちゃうくらいおもしろく書くことで、同じ状況にいる人にも笑顔になってほしくて。それに、普段の生活のなかではねぎらいの言葉をもらうことの方が多いんです。それどころか、親しい友人たちからは、「わたしのこともエッセイに出してよ!」みたいな。みんなノリノリです(笑)。 吉田さん_1七尾:わたしも、お世話になった人には1巻が出たときにお贈りしたんですけど、そしたら「こんなに貧乏だったの?」ってびっくりされて、逆に子ども服を送ってくれたりとか、親身になってくれる人はいましたね。 ――新しく出た『おひとりさま出産 2』を読むと、七尾さんは妊娠中、臨月までアルバイトで働いていたのに、周りの人たちにぜんぜん気づかれなかったようですね。 七尾:そうなんです。まったく誰にも気づかれなかったんですよ(笑)。
おひとりさま出産_気づかない

『おひとりさま出産 2』より

吉田:妊娠後期になるとだいぶお腹も出てきますよね? それでも気づかれなかったんですか? 七尾:飲食店のキッチンでアルバイトしていたんですけど、もともとコックコートってダボッとしているので、体型がわかりにくいんですよ。まあ、それでも気づくとは思うんですけど、おそらく、アラフォーの独身女が知らないうちに妊娠しているだなんて、誰も想像しなかったんでしょうね(笑)。 吉田さん_2吉田:確かに……(笑)。そんな現実あるわけがない、と。ちょっと太ったのかな、くらいですよね。 七尾:そう。だから赤の他人の方が気遣ってくれることの方が多かったです。電車で席を譲っていただいたりとか。

父親がいなくても、子どもは元気に育つ!

吉田:それにしても、結婚もせずに子どもを生むと、よく決意されましたね。 七尾:わたしは、どうしても母親になりたいという気持ちが強かったんです。いわゆる「おばちゃん」というものになりたかったというか。それで子どもが欲しかったんですけど、お互い結婚願望がなくて、彼には借金もあったので、結婚まで至らなかったんです。
おひとりさま出産_子供がほしい

『おひとりさま出産 1』より

吉田:稼ぐ能力がないのであれば、能力をつけろ! と思っちゃいますけどね。 七尾:おそらく昔であれば、そういう甲斐性のない男でも女性ががんばってサポートして、正しい方向へ導いてあげるものだったと思うんですけど、わたしにはそんなことできないし、したいとも思わないんです。人は変われると信じていますが、社会とのつながりの中で自分で気づくことが重要であって、そこは家族や妻の力では限界があると思っています。 ただ、父親とは細いながらも関係は続いているんです。やっぱり、子どもにとって父親の存在は大きいですし、父親というものを想像できないのはどうかと思うので、そこの部分では必要としています。 七尾さん_1吉田:そうなんですね。うちは、わたしと娘、息子というトライアングルでの生活がすごくうまくいっているので、いまは父親の必要性をあまり感じていないんです。もちろん、ジージとバーバが近所にいていつもサポートしてくれているし、わたし自身手に職を持っていたというのは大きいと思いますけどね。  ただ、それでもどうしようもなく寂しくなってしまうときがあるので、自宅に週3回くらい友人を招待して、みんなで一緒にご飯を食べているんです。そうやってママが楽しそうにしているのが、子どもにとっても一番ですよね。
親子3人の楽しい日々

『シングルマザー、家を買う』より。離婚して名字が変わるのを変身だと思う娘さんのエピソードなどから、家族3人の愉快な日常が垣間見える

⇒第2回『「シングルマザー=貧乏」は本当か? 好きな仕事も子育ても諦めない方法』に続く 【吉田可奈】 80年生まれ。CDショップのバイヤーを経て、音楽ライターを目指し出版社に入社。その後独立しフリーライターへ。23歳で結婚し娘と息子を授かるも、29歳で離婚。座右の銘はネットで見かけた名言“死ぬこと以外、かすり傷”。Twitter(@singlemother_ky) 【七尾ゆず】 大阪生まれのAB型。年収アンダー200万円。バイト歴24年のアラフォーマンガ家。40歳直前にして、シングルマザーになることを決意。その奮闘ぶりを描いたリアル体験記『おひとりさま出産』(集英社クリエイティブ)が話題に。9月25日に第2巻が発売。 <TEXT/渋谷アシル、PHOTO/山川修一>
渋谷アシル
昼間は会社員の仮面をかぶった、謎のゲイライター。これまでお付き合いしてきたオトコをネタに原稿を執筆する、陰険な性格がチャームポイント。オトコに振り回される世の女性のために、ひとり勝手にPCに向かう毎日。
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シングルマザー、家を買う

年収200万円、バツイチ、子供に発達障がい……でも、マイホームは買える!

シングルマザーが「かわいそう」って、誰が決めた? 逆境にいるすべての人に読んでもらいたい、笑って泣けて、元気になる自伝的エッセイ。

おひとりさま出産 2

彼は多額の借金もち。こんな男と一緒になったら大変。でもでも、40歳直前。子どもはどうしても欲しい! そうだ、「おひとりさま出産」があるじゃないか! 独身、貧乏、高齢。マイナス要素は多々あれど、“やればできる"を実践したリアル物語。産まれます!

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