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何でも妻のせいにする「モラハラ男」と「亭主関白」はここが違う

【モラハラ男vol.3】  少しずつ認知されてきた“モラハラ”という言葉。しかし、言葉だけが独り歩きしてしまって、その実態を十分に理解している人は少ないかもしれない。そこで今回、モラル・ハラスメント被害者同盟代表・熊谷早智子氏に話を伺った。

「お前のせいだから弁償しろ!」

ケース2・Bさんの彼<責任転嫁型> ※熊谷さんのもとを訪れた相談者のケースをもとに、プライバシーを考慮して一部脚色を加えています 「彼の買い物に付き合ったときのこと。彼がとても気に入ったバッグがあり『これ、どう思う?』と聞いてきたので、私は『いいんじゃない?』と言いました。  実は、私は別のバッグのほうが彼に似合うと思っていたのですが、彼はいつも自分が気に入ったものでないものを薦められると、不機嫌になってしまいます。だから、彼の機嫌を取るためにそう答えたんです。  ところが、彼がそのバッグを買って使っていたら、すぐに壊れてしまいました。彼は怒って『これがいいと言ったのはお前なんだから、お前に責任がある。弁償しろ!』と言ってきました。  理不尽だとは感じましたが、確かに薦めた私も悪かったな、彼に迷惑をかけてしまったなと思ったので、新しいものを買って彼に渡しました」 モラハラ

すべてを人のせいにするモラハラ男

「これも常識で考えればバカみたいな話ですよね。薦めたと言っても、それを買うのは彼の意思なのだから、責任の所在は彼にあるはず。だけどバッグを買った責任を彼女に押し付ける。これがモラハラをする男=モラ男たちのやり口です。 “郵便ポストが赤いのも、空があんなに青いのも、すべてお前のせい。何もかも自分は悪くない。悪いのはお前――”。決して大げさな言い方ではなく、彼らは、全部が全部被害者のせいにしてしまうんです。  モラハラに関する質問でよく聞かれるのが、モラ男と亭主関白の違い。亭主関白は自分の言ったことやしたことに対してきちんと責任を取りますが、モラ男はすべて人のせいにします。  口が達者でずる賢いモラ男は、あたかもパートナーに非があるかのように『俺を怒らせるお前が悪い』と言い放ち、被害者にさらなる罪悪感を植え付けて、心を操作していくんです」 【熊谷早智子氏】 自身もモラハラの被害者で、結婚直後から夫からの精神的暴力を受け始めた。結婚19年目、「モラル・ハラスメント」という言葉をネットで知ったのをきっかけに、半年後に離婚。モラハラで悩んでいる人の力になりたいという思いから、2003年よりポータルサイト「モラル・ハラスメント被害者同盟」を立ち上げ、モラハラに悩む人の支援や情報提供などの活動をする。著書に『家庭モラル・ハラスメント』『母を棄ててもいいですか? 支配する母親、縛られる娘』、共著に『「モラル・ハラスメント」のすべて 夫の支配から逃れるための実践ガイド』などがある。 ●モラル・ハラスメント被害者同盟(http://www.geocities.jp/moraharadoumei/) <TEXT/廣野順子>
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家庭モラル・ハラスメント

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