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不倫は自然なこと!? 泥沼化させない“不倫ワクチン”とは…

 不倫を扱ったフジテレビのドラマ『昼顔』や、不倫専門SNS『アシュレイ・マディソン』など、不倫はいつの時代も人々の関心ごとの一つです。

はじめての不倫学「社会問題」として考える』(光文社新書/坂爪真吾)では、不倫はインフルエンザのような感染症だと言い、不倫の現状や対抗するワクチンについて書かれています。果たして不倫ワクチンは存在するのでしょうか……。
(※著者の坂爪真吾氏は、“新しい「性の公共」をつくるために”、障害者の性の問題などに取り組む「一般社団法人ホワイトハンズ」代表理事。1981年生まれ)

不倫

人が不倫をやめられない理由



 不倫は誰にでも起こりうる問題であると同時に、大きな犠牲も伴います。パートナーと築いてきた絆が失われ家庭崩壊、職場での信頼をなくし失業……。また、個人の問題にとどまらず、若者の貧困、ひとり親家族、生活保護など現代の社会問題を引き起こす「離婚」の原因にもなります。一時の快楽に溺れてしまうと後が大変な不倫。

 本書によると、生物学でいうと哺乳類で一夫一婦制の単婚制度を取っている生物は、わずか3%。オスは子孫を残すため数多くのメスと交わる必要があり、メスは質の良いオスの子を産むためにオスを固定しないほうがよいので、生物学的に一夫一婦制は向いていない、と。

 文化人類学的に見ても、婚外恋愛やセックスを認めている文化はあり、歴史的にも在原業平や光源氏のように婚外恋愛やセックスが社会的非難をされなかった時代があります。

 もともと、人間は複数の相手と愛しあい性交を行える生物だから、一度、不倫をしてしまうとその強烈で魅惑的な体験ゆえに抜け出すのは大変……と、本書は分析します。

はじめての不倫学

不倫ワクチンは“体だけの婚外セックス”?



 ここまでの内容は、納得の部分も多いでしょう。しかし、問題はここから。本書で著者の坂爪さんが主張する“不倫ワクチン”は、なんと“婚外セックス”だというではないですか。

 マスターベーションの充実、異性の親友を多く作る、異性関係の分散なども本書には書かれていますが、どれも万人にとって有効ではないと言います。

 それならば、いっそ家庭円満を保ちながら婚外セックスをして、パートナーと愛情を深めることが“不倫ワクチン”となりうるのではないかという主張です。

 体の関係だけと割り切りながら婚外セックスをすることによって、不倫という婚外恋愛の泥沼化を避ける効果がある、というのです。

体だけの婚外セックス その主張のもと、本書ではセックスサポーターとして複数の女性とセックスをする男性の事例や、アスリートと化し男性8人と割り切りながらセックスをする女性の事例、交際クラブの利用やスワッピングにまで話が及んでいます。

 賛否両論ありそうな、“不倫ワクチンは婚外セックス”という主張。本書には「不倫相手とのセックスがもたらす麻薬的な快楽に抗えない」という一文もあります。不倫にハマってしまう人にとって、その快楽は危険な薬です。

 それを婚外セックスで解決するのは「毒をもって毒を制す」ようなもので、この考え方を危ないと感じてしまう人も多いのではないでしょうか。

 ただ一つ言えるのは、本書を読むと、不倫について真剣に考えられるのも事実。不倫に対するワクチンは婚外セックスだという主張は、よくも悪くもパートナーとの関係を考えさせられる良いテーマのように思えます。

 本書を読むこと自体が、婚外セックスよりも大きな不倫ワクチンとなる点では良書とも感じられます。

<TEXT/舟崎泉美>
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舟崎泉美
1984年生まれ。小説・脚本・ゲームシナリオなどを執筆中。著書に『ほんとうはいないかもしれない彼女へ』(学研、第1回・本にしたい大賞受賞作) http://izumishiori.web.fc2.com/
はじめての不倫学 「社会問題」として考える

【不倫人口「500万人」の現実】
史上、最も「アレ」をしやすい現代社会を終わらせるためのサバイバルガイド!
【朝日新聞、読売新聞、週刊現代・・・etc. 書評続々! 】




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