「ツナ缶」はどれを選ぶ? 美容にイイのはこれ!【ずっとキレイでいる食事】
【ずっとキレイでいる食事vol.17】
世界一美味しいを、美容食に。
最も身近で人気のある缶詰と言えば、「ツナ缶」。言わずと知れた世界共通の魚缶詰ですが、特に日本製のものは品質・おいしさともに最高レベルなんだとか。しかし、油が気になって、食べるのを我慢してしまうことはありませんか?
そこで今回は、ダイエット・美容を考えた「ツナ缶」の食べ方について。「おいしいものは太る」という固定概念を捨てて考えてみましょう!
まず最初に、ツナを加工法(調理法)で分類すると、大きく2タイプに分けられます。
1. 油漬け:味付けされたツナを大豆油やサラダ油などの油で漬けたもの。
2. 水煮:油を使用せずに、野菜スープやミネラルウォーターで調理したもの。
ツナ缶1缶あたりのカロリーの違いを見てみると、油漬けが159kcal(はごろもシーチキンL)に対し、水煮は55kcal(はごろも素材そのままシーチキンL)。油漬けは水煮の約3倍のカロリーとなっています。
美容的には、カロリーは抑えつつ、ツナの栄養成分を無駄なく摂取したいところ。そのためには、「水煮タイプを汁(栄養成分が溶け出している)ごと食べる」のがベストと言えるでしょう。
「油がないと物足りない!」という人には、油漬けではなく、水煮に健康油(オリーブオイル、亜麻仁油、えごま油、くるみ油など)を加えて楽しむ方が賢明です。
⇒結論1:「水煮タイプ」を汁ごと食べて、高タンパク低カロリーの美容食に!

次は、ツナに使われる「素材」について。缶ブタを見ると、「ライト」や「エル」、「マイルド」と書かれているものを多く見かけませんか? 実はツナには、素材別に3種類があるんです。
1.ホワイト、ファンシー:ビンナガマグロを使用。値段は高め。
2.ライト、エル:キハダマグロを使用。エル(L)はライトのエルで、ヘルシーの意味ではなく、マグロの色味からきている。ホワイトよりも安価。
3.マイルド:カツオを使用。最もリーズナブル。
中身を開けてみると、このような感じ。
⇒【写真】はコチラ http://joshi-spa.jp/?attachment_id=369229
味の違いはハッキリとしていて、上質なコク・うまみをしっかり感じるホワイト、あっさりクセのないライト、カツオブシのような渋みがあるマイルド、といったところでしょう。味の好みは分かれそうですが、栄養的に大差はありません。
しかし、マグロの「トロ」を使用した商品に関しては別格。血管年齢を若く保ち、中性脂肪の低下などに寄与する「EPA(エイコサペンタエン酸)」が豊富に含まれていて、その量は魚の中でもトップクラス(クロマグロ脂身のEPA量1400mg/100g)。
もともとEPAは、青魚の脂に多く含まれる成分ですが、それに負けないほど驚異の含有量を誇ります。
※魚に含まれるEPA量(単位はmg/100g)
マイワシ1200、サンマ890、マサバ500、ブリ940、サケ850
⇒結論2:マグロのトロ缶で血液・血管を若々しく保て!

3つ目は、「塩分」について。通常のツナ缶には、1缶あたり0.5~0.8gの塩分が含まれています。
パスタなどを作る際、この塩分をついつい忘れて味付けをしていませんか? 塩分のとり過ぎはむくみなどの原因になりますから、ツナをそのまま食べるのは別として、具材として使うなら、「無塩」の商品をチョイスすると良いでしょう。
⇒結論3:むくみなどの塩分対策には、食塩無添加のものを選べ!
最後に、おにぎりやサンドイッチでおなじみの「ツナマヨ」を、ヘルシーにするコツについて。
カロリーハーフのマヨネーズを使ってダメージを減らすのではなく、積極的に美容度を上げつつ、それでいておいしさをしっかりキープする方法こそが、「しょうゆ味タイプ」に「プレーンヨーグルト(無糖)」を合わせるというもの。
コレ、だまされたと思ってトライしてみてください! 発酵食品であるしょうゆとヨーグルトが、見事にうまみとコクを生み出してくれます。
⇒結論4:ツナマヨは、マヨネーズではなく「ヨーグルト」で工夫せよ!
<TEXT,PHOTO/スギ アカツキ>
【スギ アカツキ】
東大卒の料理研究家。在学中に基礎医学や生命科学を学ぶ。さらにオーガニックや久司マクロビオティックを学び、独自で長寿美容食の研究をはじめる。料理のモットーは「長く美しくを、簡単に」。忙しい現代女性に合わせた健康メニューが得意。ヨガ教室や人気ブログ(http://saqai.com/)も手がけている。

オイル漬けや水煮。おいしくて美容に良いのはどの食べ方?


マグロの「トロ缶」が最強だった!


具材として使うなら、食塩無添加タイプを
ツナマヨを超える「ツナディップ」の作り方

スギアカツキ
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12
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