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「猫を嫌いな人 vs 好きな人」の不毛なご近所トラブルをなくす方法

 外で暮らす“飼い主のいない猫”を、地域のみんなで世話しよう――そんな「地域猫活動」が少しずつ盛んになっています。猫にやさしい街として知られる吉祥寺など、武蔵野市を中心に活動する「むさしの地域猫の会」の代表・西村麻衣子さんに話を伺いました。インタビュアーは、『迷子のミーちゃん ~地域猫と商店街再生の物語~』(映画『先生と迷い猫』の原案本)の著者である木附千晶さんです。

地域猫

どちらも声をあげることで自治体を巻き込む



木附:前回の記事では、地域猫活動のポイントは自治体を巻き込むこと、というお話がありました。だけど自治体を巻き込むのは簡単じゃありませんよね。

西村:ただ頼むだけでは難しいかもしれませんね。たとえば「今までの活動でこれだけ猫の被害が減りました」などのデータを示すとかは必要かも。

 あとは、苦情でもなんでもいいから市民から声を上げてもらうこと。市民の訴えなら自治体も無視できないですから。

木附:「むさしの地域猫の会」は、最初から自治体と一緒にやれてたんでしょうか。何かきっかけがあったんですか?

西村:発足時の会長がいろんなデータをもとに市を説得し、市と市議会議員、地域猫活動をしている人たちで、街に増えた“飼い主のいない猫”のことを考える第一回「ニャンポジウム」を開催したのがきっかけと聞いています。

木附:よく市や市議も参加しましたね! 会長さんはよっぽどやり手だったのでは?

西村:当時の市の担当者も理解ある方だったんだと思います。

 それからマスコミを動かすという手もありです。実はこの10月に「吉祥寺ねこ祭り」(※)で第二回目の「ニャンポジウム」を開催しました。

『みんな生きている~飼い主のいない猫と暮らして~』というドキュメンタリー映画の上映やチャリティーライブをやり、その映画を撮った監督や参加アーティストにパネリストをしてもらったのですが、こういうイベントはマスコミが報道してくれるので自治体に訴えやすくなります。

ニャンポジウム

今年の「吉祥寺ねこ祭り」で行われた「ニャンポジウム」

きちんと世話すれば“ノラ猫被害”は減る



木附:だけど猫をとにかく毛嫌いする人もいますよね。行方不明になってしまったミーちゃんは「猫嫌いが遠くに捨てに行った」との噂があるくらいでした。そういう人も「猫の街」として盛り上がることに賛成してくれるものなんでしょうか。

西村:「猫のため」は嫌がるかもしれませんが「地域活性化のため」なら話は別では?

 実は猫嫌いを巻き込めるかどうかはとっても重要なんです。嫌いな人は、ものすごく地域の猫情報に精通してるんです。「夜中何時になると○○公園に猫が集まる」とか「最近、××で猫が産まれた」とかね。

木附:嫌いだからこそ、目が行ってしまうんでしょうね。ほうっておけないというか。それは確かに猫を保護したり、お世話するための重要な情報源ですね。

地域猫2西村:それに「ふんや尿が臭い」とか「発情期の声がうるさい」と猫を嫌っている人に「不妊・去勢手術をすると排泄の臭いが減るし、発情もしなくなりますよ」と話すと、わかってくれることもあります。持っている猫情報を提供したりして協力してくれるんです。

木附:なるほど!「猫助け」ではなく「人助け」をすることが、飼い主のいない猫を救う近道になるんですね。

西村:その通りです。猫で困っている人のためにできることもまた、地域猫活動なんです。猫が穏やかに暮らせるようにすることで、人も心地よくなる「人助け」なら自治体も動いてくれます。

西村さん

「むさしの地域猫の会」代表の西村さん

※「吉祥寺ねこ祭り」
 ハモニカ横丁にあったギャラリー「ねこだらけ展」が発祥。2010年にむさしの地域猫の会も協力し、数店の参加店とともに一回目が開かれた。年々、協力企業・参加店が増え6回目の今年は、32店が参加。ユニクロなどメジャー企業も協力している。

【むさしの地域猫の会とは】
東京都武蔵野市を中心に、武蔵野市と協働で地域猫活動を推進しているボランティア団体。市の補助、会費、寄付、募金、チャリティグッズの販売などで運営されている。HPには里親募集中の猫写真も
【むさしの地域猫の会HP】http://www.musashinoneko.com/
※ノラ猫との付き合い方も一読を!
http://www.musashinoneko.com/%E3%83%8E%E3%83%A9%E7%8C%ABq-a/

困ったら、自分の住む地域のボランティアグループを探して相談しましょう!

<TEXT/木附千晶>

⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】

迷子のミーちゃん~地域猫と商店街再生のものがたり~

再開発が進んで寂れてしまった、日本のどこにでもあるような商店街に住み着いていた地域猫のミーちゃん。ところがある日、ミーちゃんは行方不明になってしまいます。いなくなってからわかった、小さな存在が私たちに教えてくれたこと…。




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