背脂男子は、「ウチの店に理解がある人」にしか食指を伸ばしません。自分がイニシアチブを握れる場でしか勝負しないので、きっぱりしてごまかしのきかなそうな女性は眼中にないのです。
その目利きは、さすが繁盛店のオーナーというところ。なお、彼らが狙うのは、“モテないわけでなく、自分の容姿にそこそこ自信のある女性”に限ります。
タチの悪い背脂男子は、「お客様への3つのお約束」を徹底しています。すなわち、女性に対して「(関係を進めることを)焦らない、(結婚話に)向き合わない、(別れ話に)応じない」というヤツです。そのくせ、とても楽しく甘いひとときを与えてくれるので、女性は混乱し、病んだりもします。恋人と思えば友人に、友人と思えば恋人に姿を変える巧妙さ……!
ここまでなめた経営方針でも、女性に「この人、本当はかわいそうな人なんだ」と思わせてしまうのが、背脂男子最大の共通点。実際、ひとりの女に誠を捧げられない性分を、本人も引け目に思っているフシはあるのです。
だからこそ、たくさんの女に手を出したりするのでしょう。それでも腹をくくれない意気地のなさを“かわいそう”と変換し、また今日も店に並んでしまう女性がいるのです。
ナンパに理解があってそこそこ容姿に自信があり、男性に対して間口が広い。「このまま彼と進んだら、どうなるかな?」という好奇心と、「今は遊びでも、いつか本命になれるはず」という自負。「これって私のこと?」と思ったら、もう沼に片足突っ込んでるかも。