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年収1000万円から290円のり弁生活へ…起業失敗で起こること

 景気がよくなってきたとはいえ、2013年4-9月の倒産件数は5320件。自分の会社、パートナーの会社がヤバいかも!という倒産の予兆は見抜けるのだろうか? 倒産経験者に、そのリアルな体験を聞いてみた。

たびたび給料がカットされていたのに……



「今考えると、確かに半年前ぐらいから社長が会社にいる時間が少なくなっていったんですよ。それまでは毎日必ず来る人だったのに、1日置きに出社するようになったり、スタッフが帰る夜の時間帯に顔を出したり。でも、もともと頭がキレる人でしたし、『仕事ができるあの人のことだから問題ないだろう』ぐらいにしか思ってなかったんです」

 そう語るのは、’98 年に専門学校時代の友人と共にWeb制作を中心としたIT企業を立ち上げたという西川雅史さん(仮名・39歳、現在は経営コンサルタント)。

 小さな会社ということもあって、社長である友人は主に経営者として財務を、副社長である自分は営業や制作現場を担当し、それぞれが役割分担をしながら仕事をしていたという。ところが……。

「実は社長を信頼するあまり、僕を含めた役員が経営状態をほとんど把握していなかったんです。しかし、気づいたときには、役員の給料カットがしょっちゅう起こるようになって。そこでようやく『経営がキツいのかな』と思ったんです。

 でも、僕は年収を1000万円ももらってましたし、『これで会社がうまく回るなら、これぐらいのマイナスは仕方ないか』と、そこまで深刻には考えていなかったんですが……」

 その結果、’03 年の秋、ついに倒産。しかも、西川さんも連帯保証人に名前を連ねていたため、同時に400万円の借金を背負うことになり、貯金をすべてつぎ込む結果になったという。

「しかも、倒産後の財務処理のとき、弁護士が倒産通知した取引先に僕の連絡先を教えることになっていて……。それからというもの、朝晩関係なく怒鳴り声の問い合わせがケータイに殺到してしまったんです。

 家には妊娠中の妻もいましたし、これまでと打って変わってカネがないから昼食に290円ののり弁を買うのですら迷う状態になったり、もうノイローゼ寸前。あのときの数か月のことを考えたらどんなキツい仕事でもできるなって、今でも思いますよ」

「友人」という近すぎる関係が、冷静な目を失わせたということか!?

合コンや婚活で「副社長」「年収1000万円」などと聞いて飛びつきがちな女性は、こういうリスクも込みで愛せる相手かどうか、ちゃんと見極めよう。

●【ヤバい兆候】⇒役員たちが経営状態をわかってない

<PHOTO/Dmitriy Shironosov>
― 経験者に聞く「倒産の予兆」【4】 ―




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