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目先のカネ欲しさに安い仕事を…下請け会社のアリ地獄

 景気が上向いていると言われるが、心配なのは4月の消費税アップ。中小零細企業の倒産を心配する専門家もいる。2013年4-9月の倒産件数は、前の年より減ったとはいえ5320件。自分の会社、パートナーの会社がヤバいかも! という倒産の予兆は見抜けるのだろうか?

倒産を経験した人に、「今思えばあれが予兆だった」という実例を取材してみた。

安月給で人が辞めて大きい仕事が受けられない



 現在、フリーターの山田純平さん(仮名・29歳)は’06 ~’09 年にゲームや携帯電話用アプリを制作する社員20人ほどの会社に勤務。当初は下請けとはいえ、それなりに余裕があったが徐々に仕事が減り、入社3年目頃から社員が次々と辞めていったという。

「もともと有能な社員にもそれに見合った賃金が支払われていませんでした。この人材流出が会社の技術力低下を招きましたね」

 そのため、大きな仕事の話が来ても、残った社員では要求されるクオリティに応えられなかった。

「そんな状況でできるのは安い仕事ばかり。倒産前年になると、社長が目先のカネ欲しさで、本来ウチの会社でも断るような赤字覚悟の仕事も請け負っていました」

 この間にも社員は次々と会社を去っていたとか。そして、’09 年春には致命的な事態になってしまう。

「突然、社長に給料の分割払いを言い渡されたんです。これで私を含む大半の社員が辞めました」

 山田さんが退職した約2か月後に会社はあえなく倒産。辞める直前の1か月半分の給料は未払いのままだが、「社長からよくしてもらったので」と恨んではいないとか。

「ざっくばらんな性格で悪い人ではありませんでした。ただ、経営者としては……(苦笑)」

 元同僚の多くは今もゲーム業界で働くが、山田さんは「未練はまったくない」と業界を離れ、現在は経理職を目指して勉強中だという。

●【ヤバい予兆】⇒赤字の仕事を請ける会社は危険

<PHOTO/Photographerlondon>
― 経験者に聞く「倒産の予兆」【7】 ―




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